イギリスにはインターネット上のコンテンツから未成年者を守るための「オンライン安全法」に基づく、年齢確認義務が存在します。この年齢確認義務の登場により、より悪質なアダルトサイトが増加していると、大手ポルノサイトのPornhubが報告しています。

Internet age checks have boosted rogue adult sites, says Pornhub

https://www.ft.com/content/295c2eba-da29-434d-84e0-e9de3b0b1cc2



イギリスではオンライン安全法に基づく年齢確認義務が、アダルトサイトや出会い系サービスなどに課されています。これは若者がアダルトサイトをはじめとする成人向けサイトにアクセスできないようにするための、厳格な規制として登場しました。

イギリスでもネットサービスのユーザー年齢確認義務がスタートしVPNサービス登録者数が1400%に増加 - GIGAZINE



年齢確認には顔認証やクレジットカード情報の入力などが用いられているのですが、それにもかかわらずイギリスではより悪質なアダルトサイトが増加していると、イギリス国内で最もアクセス数の多いアダルトサイトであるPornhubが報告しています。

Pornhubはイギリスの国会議員に向けて公開書簡を送り、オンライン安全法による年齢確認義務は、子どもたちを守ることに失敗していると指摘しました。さらに、Pornhubは年齢確認を行わないアダルトサイトが検索エンジンの検索結果ページの上位に頻繁に表示されるようになっていると主張。その結果、違法なアダルトサイトへのアクセス数が増加していると指摘しています。

また、Pornhubは2026年6月時点で「free porn(無料ポルノ)」と検索した場合の検索結果ページに表示される上位10サイトのうち7個が、「年齢確認義務を怠る悪質なアダルトサイト」であると指摘しました。



イギリスの放送通信庁であるOfcomは、年齢確認の導入により、アダルトサイトへの1日当たりの訪問者数が約3分の1に減少したと発表しています。また、Ofcomによるとイギリスにおける人気アダルトサイトのトップ10と、上位100位以内の大半が、年齢確認義務を順守しているとのことです。

ただし、Ofcomは年齢確認なしでアダルトサイトにアクセスできる状況が依然として存在しており、そのような悪質なアダルトサイトが検索エンジン経由で閲覧されていることを認めています。そのため、Ofcomは状況を改善するためにGoogleやMicrosoftといった検索エンジンプロバイダーと協力する予定であることを明かしました。

なお、イギリスで年齢確認が導入されてから、Pornhubへのアクセス数は77%も減少したことが明らかになっています。ただし、年齢確認を回避するため多くのユーザーがVPNを利用していることが明らかになっており、実際の「イギリス人のPornhubへのアクセス数」がどの程度変化しているのかは不明です。

実際、Pornhubはイギリスと同じように年齢確認を義務づける法律が施行されるフランスから撤退したのですが、この撤退直後、VPNサービスの登録者数が1000%も増加したことが報告されています。

大手アダルト動画サイトのPornhubがフランスから撤退して30分でVPNサービスの登録者数が1000%増加、TikTokのアメリカ撤退時より凄まじい数字 - GIGAZINE



Ofcomの調査によると、子どもの8%がアダルトサイトにアクセスしようとしたことがあるものの、そのうち年齢確認が行われているサイトにアクセスしたのは約半数しかいなかったそうです。

Ofcomは年齢確認がイギリスの子どもたちのオンライン上の安全確保に役立っていると主張していますが、「しかし、まだやるべきことは終わっておらず、特に政府が計画している16歳未満の子どもに対するSNS規制を考慮すると、子どもたちをオンラインで保護するための年齢確認の効果を高めるために、テクノロジー業界によるさらなる対策が必要であることは明らかです」とも主張しており、さらなる対策の必要性を訴えています

なお、イギリスでは子どものSNS利用を禁止するための法規制の有効性が検討されている最中です。

イギリスが16歳未満のSNS利用を全面禁止すると発表 - GIGAZINE