歴代最軽量で目下の4気筒最速 ロータス・エミーラ『420スポーツ』 アグレッシブ過ぎない真骨頂 AMG譲りの4気筒は422psに
歴代最軽量で最強で、現在の4気筒最速
ロータスを取り巻く環境は、困難の連続だった。経営者が変わる毎に再出発を遂げてきたが、安定した成長は妨げられてきた。だが、2025年の再編には期待を抱けそうだ。
【画像】アグレッシブ過ぎない真骨頂 エミーラ 420スポーツ 電動の最新ロータスたち 全151枚
グレートブリテン島南東部のへセルに「パフォーマンス・ハブ」が設けられ、先進的な技術や生産ラインは、他メーカーにも開放されるという。同時に、ここを拠点とした車両生産も、将来的に約束されたといっていい。

ロータス・エミーラ 420スポーツ(英国仕様)
ラインナップの改変も始まった。電動SUVのエレトレには、プラグイン・ハイブリッドが登場予定。2028年には、V8エンジンを搭載したエスプリが復活するらしい。小柄な2シーターのエミーラには、今回試乗した420スポーツがリリースされた。
この420スポーツは、歴代のエミーラで最も軽量で、最も強力だと主張される。現在入手可能な4気筒エンジンの量産車で、最速だともうたわれる。
軽量化へ腐心され、一層サーキット志向の特性
よりシャープな運転体験を希望する声へ応えるべく、ヘセルの技術者は軽量化に腐心。一層、サーキット志向の特性が与えられた。
ボディでは、フロントバンパーのエアインテークが拡大。冷却性能は15%上昇している。フロントフェンダー上のエアアウトレットは、ホイールアーチ内の空気を後方へ排出。ダクト部分のプレートは取り外せ、ブレーキを効果的に冷やすことができる。

ロータス・エミーラ 420スポーツ(英国仕様)
細部の空力特性が見直され、最高速度の299km/h時に発生するダウンフォースは、25kg増えている。空力アイテムを付加せずに。秋風を楽しむような場面に備えて、脱着式のガラス製ルーフパネルも得ている。外したら、シート後方へ収納できる。
本来上質なインテリアは、随所を専用トリムが飾る。ステアリングホイール裏には、クリック感が心地良いカーボン製シフトパドルが備わる。上下に長く、弾きやすい。
アグレッシブ過ぎない真骨頂のバランス
メルセデスAMG譲りの2.0L 4気筒ターボエンジンは、ソフトを改良。ターボSE比で16psと2.0kg-m増しとなる、422psの最高出力と、50.9kg-mの最大トルクを得ている。サスペンションは、ビルシュタイン社製ダンパーを獲得。車高は5mm落とされた。
25kg軽くなる、ライトウェイト・ハンドリング・パッケージも見逃せない。これには、チタン製マフラーにリチウムイオンの補機バッテリー、ルーバー付きのカーボン製エンジンカバーなどが含まれる。11段階調整式の、マルチマチックダンパーも。

ロータス・エミーラ 420スポーツ(英国仕様)
果たして、エミーラ 420スポーツでへセルのテストコースへ飛び出せば、ドライバーを夢中にさせる屈指のサーキットマシンだとわかる。ダンパーを引き締めても、フラットに旋回しつつ荷重移動を感じ取れ、グリップの限界を探りやすい。
パワーステアリングは油圧式で、反応は素早くも落ち着きがあり、接地感が手に取るようにわかる。重み付けも丁度いい。通常のエミーラより間違いなくシャープでありながら、アグレッシブ過ぎない特有のバランスこそ、ロータスの真骨頂だろう。
公道へ出ても変わらない感動
ミシュラン・カップ2タイヤの限界へ迫りつつ、正確にラインを辿るのも、軽いスライドで意欲的に食らいつくのも、まさに意のまま。ブレーキは、低速域では効きがやや唐突でも、強力かつ線形的に制動力を引き出せる。
こんな感動は、公道へ出ても変わらない。慣性を忘れるような身軽な動きで、連続するカーブを舞うようにすり抜ける。乗り心地は最もソフトにしても硬めだが、不快な突き上げは皆無。凹凸で進路が乱されることもない。

ロータス・エミーラ 420スポーツ(英国仕様)
エンジンは、ブースト圧を保てば極めてパワフル。新しいエグゾーストも、音響面での刺激を高めている。スポーツ・モード以上では、アフターファイアが興奮を誘う。
他方、高負荷時以外の個性は弱め。低域ではターボラグを僅かに伴い、アクセルレスポンスを鈍らせる。8速デュアルクラッチATもソフトの改良を受けたが、ギアの切り替えには一層の歯切れがあって良い。ポルシェのPDKのように。
ドライバーを夢中にさせる真のロータス
とはいえ一般道では、通常のエミーラと同等の洗練度。走りには上質感があり、豪奢な仕上げのインテリアと相まって、長距離移動も苦労なしでこなせるはず。脱着式ガラスルーフもうれしい装備。風の巻き込みは多少伴うものの、直接的に外気へ触れられる。
歴代のエミーラで、最高水準の動的能力を獲得した420スポーツ。ドライバーを夢中にさせる、真のロータスだと表現していい。お値段は少々お高めで、エンジンの刺激はもう少し高めたいところだが、類まれな存在ではないだろうか。

ロータス・エミーラ 420スポーツ(英国仕様)
ライトウェイト・ハンドリング・パッケージも効果的。ポテンシャルを、最大限に発揮させることを可能にしている。
ロータス・エミーラ 420スポーツ(英国仕様)のスペック
英国価格:10万5900ポンド(約2277万円)
全長:4413mm
全幅:1895mm
全高:1226mm
最高速度:299km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:10.9km/L
CO2排出量:209g/km
車両重量:1430kg(ライトウェイト・ハンドリング・パッケージ時)
パワートレイン:直列4気筒1991cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:422ps/7200rpm
最大トルク:50.9kg-m/5000rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック/後輪駆動

ロータス・エミーラ 420スポーツ(英国仕様)

