住所、間取り、口座情報…すべて筒抜けの可能性 闇バイトと特殊詐欺から命とお金を守る唯一の方法

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今この瞬間にも、私たちの個人情報は出回っている。いつ誰が闇バイトの標的になってもおかしくない。身を守る術を知っておこう。

【前編を読む】「80代の家主に包丁を突きつけて…」強盗犯が衝撃の証言 普通の若者と闇バイトの驚きの「接点」とは

「表札」に異変がないか、しっかり確認

'24年に横浜市で強盗殺人事件を起こして逮捕された宝田真月被告(当時22歳)は、金欠で闇バイトに応募した結果、個人情報を握られたことで「断れば家族を殺す」と脅されて凶行に及んだ。宝田被告の友人が、本誌にこう語る。

「真月は大人しくて、人なんて殴ったことすらないはず。いまも拘置所で面会するたび、漫画『ワンピース』の展開を気にするような男です。犯行に及ぶ前に相談してくれたら、消費者金融に行ってでもカネは貸してたのに……」

温厚だった青年すらも強盗殺人の凶悪犯に変貌させてしまう。これこそが、闇バイトの恐ろしさと言っていい。

闇バイトといえば強盗や窃盗、詐欺のかけ子や受け子といったイメージが根強い。だが最近は、手口がますます多様化しているという。

「最近目立つのが『iPhone高額買い取り』や『クレカ決済代行』をうたった詐欺です。SNSなどで『簡単な副業』と銘打って宣伝するんです。この文句に引っかかった人たちに、『手数料をつけて買い取る』と最新iPhoneを5台購入させたり、指定商品をクレカで買わせたりして品物を騙し取ってから連絡を絶つ。結果、応募者はローンだけを背負わされます」(広域暴力団関係者)

他に、「せどり」や「フライト案件」も闇バイトの主流業務になりつつある。

「せどり」とは、購入制限があるプレミア商品を、実行役となった者に購入させる犯罪行為。偽造した身分証で商品を大量購入させ、最終的に転売して利ザヤを得るのだ。「フライト案件」は、タイなどに渡航させて違法薬物を別の国に運ばせる仕事である。

個人情報が「漏洩」する仕組み

闇バイト犯罪でもっとも重要なのが情報だ。強盗であれば自宅に現金がある資産家の情報が必要になる。

闇バイトの首謀者たちは、いかにして個人情報をつかんでいるのだろうか。特殊詐欺に詳しい裏社会関係者が解説する。

「反社の周囲には、ネットを駆使して情報を盗み取る『名簿屋』がいます。実質的にはハッカーで、ネット通販の購入者リストや保険商品、フードデリバリーの顧客データなどを抜き取ります。

よく大手企業がサイバー攻撃を受けたと報道されて、『情報が悪用された形跡は確認されていない』と発表するケースがあるでしょう。あれは絶対に信用しないほうがいい。その企業に、名簿屋と反社のやり取りを知る術がないからです。もし自分が使うサービスがサイバー攻撃を受けたとわかったら、詐欺電話などがかかってくる心構えをしたほうがいい」

ただ、ネット上で漏れた情報だけでは家の間取りや生活リズムまでは分からない。なので、リアルな生活実態を探る闇バイトの業務も存在する。

「下見役を闇バイトで募り、金目のモノがありそうな家を探させるんです。目星をつけた家の表札に、鉛筆で星印や三角などのマークを書き、在宅パターンを記録していきます。都内のある高級マンションでは、ほとんどの表札に印がついていましたよ。

また、反社とつながりのあるリフォーム業者も危ない。『無料点検』と称して家に上がり込み、金庫の位置や間取り、防犯カメラの有無を把握する。工事契約が取れなくても、情報を売れば大きな利益になるんです」(特殊詐欺に詳しい裏社会関係者)

具体的に何に気をつければいいのか

闇バイトの脅威から身を守るために、日常生活では何に気をつければいいのだろうか。

まず、もし自宅の表札などにマークの痕跡を確認したら、写真で記録を残して警察に相談し、即座に印を拭き消す必要がある。強盗や窃盗といえば戸建てのイメージがあるが、マンションも例外ではないので決して油断してはいけない。

「アポも取っていないにもかかわらず、家の中に入りこもうとする業者が来たら疑ってかかるべきです。リフォーム業者以外には、床下点検・シロアリ駆除業者や出張買い取り業者、太陽光パネルの設置・販売業者などが挙げられます」(同前)

いきなり家に入れることはやめて、まずその業者についてネットなどで調べてほしい。

「何より恐ろしいのは、裏社会で出回るような『名簿リスト』に載ってしまうことです。こうしたリストに自分の個人情報が記録されると、様々な犯罪グループから目をつけられてしまう。強盗や窃盗、特殊詐欺……あらゆる犯罪の標的になる可能性が高い。

最低限の防衛法としては、怪しい通販サイトや小売店で買い物をしないことです。裏ではヤクザや半グレとつながっていてもおかしくない。できる限り、有名企業が運営しているようなサイトや店舗で買い物をするようにしましょう。また、知らない番号から電話がかかってきた場合、向こうの言うことはすべて疑ってかかってください。警察官を名乗ったり、不動産投資の勧誘と言っていたりとパターンは色々ありますが、すべて切って大丈夫です」(同前)

「自分だけは大丈夫」という油断こそが、犯罪組織にとって最高の「カモ」となる。

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「週刊現代」2026年8月17日号より

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