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 【大西純一の真相・深層】元日本代表FW大久保嘉人さん(44)が新しいチャレンジを始めた。スペインのバルセロナにサッカークラブ「FC Sol Naciente」を創設、「本気でラ・リーガ1部を目指す」と動き出した。観光名所となるようなクラブを目指し、同時に日本人ストライカーも育成しようという壮大なプロジェクト。「だれもやったことがないことをやりたい」と、型破りなストライカーらしい野望を持っている。

 中でも注目はストライカーの育成だ。日本はW杯に8大会連続出場するなど、着実に強くなっている。だが、決勝トーナメントで勝ち上がるためには、点を取らなければならない。そのためにはストライカーの育成が課題。68年メキシコ五輪で得点王になった釜本邦茂さんのような世界で通用する日本人ストライカーは、60年近く出現していない。そこで、W杯に2度出場、J1最多の通算191得点、J1で3年連続得点王の大久保さんが、自らの経験をベースに、ストライカーを育成しようと立ちあがった。

 既に日本で18歳から23歳までの選手を対象にセレクションを行い、3人の入団が決定。8月中旬に渡欧し、1年間鍛えられることになっている。クラブ経営だけではなく、大久保さん自らもピッチ上で指導し、ゴールの秘けつを伝授する。住居、学費、サッカーにかかるお金はクラブが負担。プロを目指す選手にはクラブが移籍をサポートする好条件だ。

 「ストライカーがいないと日本は強くならない。南米みたいに、メンタルが強い選手を育てたい」と大久保さんはいうが、C・ロナウドもメッシも教えられてうまくなったのではない。釜本さんも釜本2世はなかなか育てられなかった。

 だが「よく、ストライカーは教えられて育つものではないといわれるが、そんなことはない。僕はセンスだけでここまで来たのではなく、教えられて、気付いて、自分で考えてやってきた。それを伝授したい」という。ゴール前でのパスの受け方、ドリブル、シュートなど、教わったものを教えていく考えだ。

 「日本でストライカーが育たないのは、日本人は性格が優しく周りに気を使うから。海外の選手は周りを気にしない。自分が良ければいい。だから組織力がないということにもなる。こういうときはこう考えろ、などと話しながらやりたい」

 大久保さんも国見高校の小嶺忠敏監督から川崎Fの風間八宏監督、日本代表の岡田武史監督やザッケローニ監督ら多くの指導者に教わった。「人それぞれの伝え方がある」と、豊富な経験を生かしていく考えだ。

 「FC Sol Naciente」はスペイン北東部カタルーニャ州の4部で、スペイン全体で見れば一番下の10部に相当する。まずはアマチュアの育成型クラブとしてスタートする。開幕は9月、世界で通用する日本人ストライカーを輩出し、ラ・リーガの頂点を目指すプロクラブを目指し、「だれもやったことがない挑戦」という夢が、いよいよスタートする。