北海道の最終兵器「山わさび塩焼そば」が鹿児島に襲来 “食べる催涙ガス”に薩摩が挑む

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 ネットやSNS上で定期的にその名が挙がり、強烈な個性を放ち続けているカップ焼きそばがあります。北海道を中心に展開する人気コンビニ「セイコーマート」のオリジナルブランド(Secoma)から販売されている「山わさび塩焼そば」です。

 別名「北海道の最終兵器」や「食べる催涙ガス」などの恐ろしい異名を持ち、「訓練された道民でも無理なものは無理」とまで噂される一品。先日、おたくま経済新聞公式Xで紹介した際にも、引用を含めて300万近くのインプレッションが寄せられ、多くの方がその脅威に震えました。

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 そんな日本最北の激ヤバ即席麺を、筆者の住むはるか南の地・鹿児島市の某スーパーで偶然発見。しかも注意喚起のポップなどは一切なく、「しれっ」と陳列されていました。

 筆者は以前から商品の存在を知っていたため、その危険性も把握済み。しかし、北海道から遠く離れた南の地で、何の注意書きもなく販売して大丈夫なのでしょうか。店舗担当者は、これがどれほどの危険物なのか知らないのかもしれません。

 なお、地元・北海道では、注意を促すポップとともに販売されていることも多いようです。それなのに、無垢な鹿児島民へしれっと罠を仕掛けるとは……。北海道め、これは薩摩への宣戦布告と理解した。

 もちろん、受けて立つ。さあ、勝負だ。チェストォォォォ!!

■ 初対面なのに見慣れすぎたパッケージ ソースの香りで早くもむせる

 さて、購入した商品を自宅に持ち帰り、さっそく調理の準備に取り掛かります。深い緑色のパッケージの右下には、黄色い警告マークとともに「刺激が強い商品です。小さいお子様や辛みが苦手な方は、十分注意してお召しあがりください」と、およそ食品とは思えない念入りな注意書きが添えられています。

 ネットで何度も画像を見ていたため初対面のはずなのに妙な見覚えがあり、それがかえって恐怖を倍増させます。底面の成分表や側面の原材料を眺めつつ外装を剥がし、いよいよ内蓋を開きます。

 中から出てきたのは、キャベツと肉の入ったかやくと、緑色の液体ソースの小袋。どこか禍々しい雰囲気を醸し出しているように感じられます。

 調理手順自体は一般的なカップ焼きそばと同じで、かやくを投入して熱湯を内側の線まで注ぎ、蓋の上で液体ソースを温めながら3分間待機します。

 時間が来たらしっかりと湯切りを行い、いよいよあの液体ソースを麺へと投入。まずは混ぜる前に液体ソースそのものの香りを軽くチェックしてみたのですが、この時点で早くもウッという衝撃が鼻の奥を突き抜けました。

 まだ完全に混ざり合っていないというのに、思わず顔をしかめてしまうほどのツンとした気体が立ち上ってきます。これをアツアツの麺全体に絡ませてしまったら一体どうなってしまうのか、本能が危険を察知し始めます。

■ 混ぜた瞬間「ギャッ」と悶絶 しかし……食べてみるとまさかの大逆転?

 意を決して、お箸で一気にソースと麺を混ぜ合わせ、立ち上る湯気の香りを思い切り吸い込んでみました。

 その瞬間、わさびの芳醇な香りが広がると同時に、鼻の奥だけでなく、目にも容赦なく激烈な刺激が直撃。思わず「ギャッ」と文字通りの悲鳴を上げてしまいました。まさに「目が、目がぁ〜!」と悶絶するムスカ状態です。

 これが北海道からの先制攻撃か。薩摩側、開戦早々まさかの被弾です。

 たしかに「食べる催涙ガス」の異名は伊達ではありません。長い人生の中でさまざまな食べ物を前にしてきましたが、「目が痛くて開けられない」という感想を抱いたのは生まれて初めて。チェストと威勢よく挑んだものの、北海道の一撃は想像以上に強烈でした。

 匂いだけでここまでの破壊力を見せつけられてしまうと、口に入れたら一体どんな大惨事になるのかと震えましたが、覚悟を決め恐る恐る麺をすすってみました。すると、これが意外や意外、辛くて食べられないどころか、むしろめちゃくちゃ美味しいのです。

 口の中がヒリヒリして痛みにのたうち回るような激辛系の商品とは異なり、ベースとなっているチキンの旨みと塩だれのバランスが非常に良く、商品名通りしっかりと質の高い「塩焼きそば」としてのクオリティを保っています。

 もちろん、すするたびに油断すると山わさびの鋭い刺激がツンと鼻へ抜け、うっすらと目に涙は浮かびますが、その清涼感のある辛味が食欲をこれでもかと刺激してくれます。夏にぴったりな、さっぱりとした味わいということも手伝って、気づけばあっという間に一食分を平らげてしまいました。

 しまった。北海道の策略に、まんまとはめられた……!ぐぬぬ。

 食べる前こそ異次元の刺激に面食らい、壮絶な洗礼を受ける形となりました。しかし、ただ奇をてらっただけのネタ商品ではなく、最後にはきっちり「美味い」と言わせて着地させるあたりは、さすが食の王国・北海道クオリティ。絶品グルメに仕上げてくる開発力には、素直に拍手を送りたいと思います。

 刺激でひるませ、味で屈服させる。北海道、恐るべし。今回ばかりは、薩摩の完敗を認めざるを得ません。

 ただし、今回おいしく完食できたのは、あらかじめネットで「激ヤバ商品である」という前評判を十分に頭へ叩き込み、細心の注意を払いながら食べたからという側面も大きいでしょう。

 間違いなく、ほかの商品とは一線を画すトップクラスの刺激物です。小さなお子様や辛いものが苦手な方はもちろん、友人や家族へのドッキリなどに面白半分で使用することは、くれぐれも避けてください。刺激の強い商品だからこそ、大人のマナーを守って楽しみましょう。

(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026072703.html