【高橋 克英】ニセコに急増する「儲けの源泉」…利回りが”1%”しかないのに富裕層が「ホテルコンドミニアム」に投資するワケ

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日本随一のスキーリゾート地としてその地を確固たるものにする北海道・ニセコ。いま全国のリゾート地では、「第二のニセコ」を目指す開発競争が加速しているーー。なぜ国内外の富裕層はリゾートを求め、巨額の投資と消費を繰り返すのか。その背景には、金融政策やAI時代の到来がもたらした世界的な「カネ余り」と、「退屈で、ひまな社会」の広がりがある。

富裕層との実際のやりとりやリゾートでのヒアリングをベースに分析した新書『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』より一部を抜粋・再編集して、世界の高級ブランドや超富裕層がいま日本に進出する理由を読み解く。

超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社+α新書)

海外富裕層がホテルコンドミニアムに投資する理由

ホテルコンドミニアムのインカムゲインは、実はそれほど高くない。ニセコの高級ホテルコンドミニアムでもインカムゲインは実質1〜3%程度であり、東京のレジデンス向け不動産投資では概して実質3%〜5%程度の利回りが期待できることを考えると、うまみが少ないように思える。リスクを取れるのであれば、バンコクなど東南アジアをはじめ海外ホテルコンドミニアムの利回りの方が高い。

では、なぜ富裕層は食指を動かすのか。ずばり一言でいえば「キャピタルゲイン狙い」である。この後紹介する京都やニセコの事例でみるように、その圧倒的な外資系のブランド力と希少性と利便性から、一部のホテルコンドミニアムは流通市場において販売当初の価格よりも高値で取引されているのだ。

特に、海外富裕層・投資家の目線は、インカムゲインではなく、あくまでキャピタルゲインだ。単純な話、一室1億円の物件が、倍の2億円の値段で売れれば、税引き後でも相応のキャピタルゲインを得ることができるのだ。

「カネ余り」の時代において、希少価値の高い資産は価値がうなぎ昇りになっていく。ホテルコンドミニアムのオーナーは、インカムゲインだけでなく、売却時には多額のキャピタルゲインを得る可能性もあるのだ。

富裕層が使いこなす「錬金術」

リゾート地に良質なホテルコンドミニアムが供給されると、更なるブランド化が進む。資産価値は更に上昇し、更なる開発投資が行われる、投資投資を呼ぶ好循環がここでも発生する。ハワイやマイアミ、そして日本のニセコのような世界的リゾート地におけるホテルコンドミニアムは「儲けの源泉」であり、富裕層が使いこなす錬金術なのだ。

もともと、ホテルコンドミニアムは、海外で導入された仕組みであり、海外富裕層には一般的でなじみ深い投資手法の一つである。

英国の高級経済紙『Financial Times』のWeekend版「House Home」には、カラー写真付きで、英国、フランス、イタリア、モナコをはじめ、欧州アルプスや地中海やカリブ海、米国や中東を含め世界中の高級ホテルコンドミニアムの広告が、世界的なオークションハウスでもあるサザビーズやクリスティーズ、バークシャーハサウェイといった高級不動産仲介会社によって掲載されており、世界の高級不動産物件のトレンドやクオリティを一挙に知ることができる。

その中には日本の別荘やマンション、邸宅の物件が掲載されることもあり、Web版では、東京や軽井沢や伊豆の高級マンションや別荘物件だけでなく、ニセコやルスツの高級ホテルコンドミニアムや別荘、京都の町家、古民家などの物件が紹介された事例もある。

【後編を読む】“14億円越え”のニセコの超高級物件が即完売…「ホテルコンドミニアム」が生み出す驚愕のキャピタルゲイン

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