1986年12月以来の約39年7カ月ぶりの歴史的な円安…(C)日刊ゲンダイ

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 どこまで「円安」は進むのか。とうとう円相場は、22日1ドル=163円台まで下落し、1986年12月以来、約39年7カ月ぶりの歴史的な円安水準となってしまった。

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 ほんの3カ月前、1ドル=160円が「壁」とされたのに、いつの間にか1ドル=160円超の円安が定着しつつある。はやくも市場では、1ドル=170円の見方が出始めている。

 マーケットが高市政権の経済政策を意識しているのは間違いない。21日、高市政権が「骨太の方針」を閣議決定した途端、円安が加速しているからだ。前年まであった「財政健全化」のフレーズが削除され、「積極財政」を前面に打ち出すなど、円の価値を“毀損”する政策がズラリと並んだことで、市場は「円安は止まらない」と判断しているという。

 このまま160円超の円安がつづいたら、どうなるのか。懸念されはじめているのが「倒産」ラッシュだ。日本企業には「円高」よりも「円安」の方が都合がいいとされてきたが、東京商工リサーチによると、2026年上半期(1〜6月)の「円安」倒産は、45件と前年同期から3割も増えているという。

 経済評論家の斎藤満氏はこう言う。

円安は輸出企業には有利です。しかし、多くの企業には輸入物価が高騰し、コスト高になっているのが実態です。コスト高を価格に転嫁できれば収益に影響はないが、ここまでコストが上がると、すべてを価格に転嫁するのは難しいでしょう。コスト増を自社で負担し、収益が悪化している企業も多いはずです」

■「円安」にブレーキがかかるのか

 東京商工リサーチの企業アンケートによると、望ましい為替レートは「1ドル=140円」(中央値)だという。足元の163円とは20円以上も開きがある。高市政権が誕生した時、1ドル=151円だったから、163円は想定外のはずである。

 問題は、「円安」にブレーキがかかるのかということだ。

 22日、片山さつき財務相が、円相場について「必要があればいつでも適切に断固たる対応を取る」と為替介入をにおわせたが、市場はまったく反応しなかった。

「マーケットは『高市政権は為替介入はできない』と見ています。介入する時は、アメリカの了解を得て、日米で協調しないと効果が薄いが、アメリカは『イエス』と言わない可能性が高いからです。円高にするために米国債を売ると、アメリカの金利が上昇する恐れが強い。アメリカは金利上昇を嫌っています。かりに介入しても効果は短期間で消えるのではないか。1ドル=160円まで円安が進んだ4月末から、11兆7000億円の為替介入に踏み切ったが、効果は1カ月でした」(斎藤満氏)

 高市政権が円の価値を毀損する政策をやめない限り、円安は止まらない。

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 高市政権として初となる経済財政運営の指針「骨太の方針」は、意気込みはともかく実効性を伴った具体的な中身は見えないままのものとなった。関連記事【もっと読む】「骨太」どころか「骨粗しょう症」では…財源見通しも具体策もない空っぽ成長戦略に広がる高市政権への不信感は必読だ。