鹿児島県の種子島宇宙センターで23日、開発中の国産小型ロケット「イプシロンS」のエンジン燃焼試験が行われ、試験は正常に終了しました。

国産の小型ロケット「イプシロンS」のエンジンの燃焼試験は、23日午前9時ごろにおよそ2分間行われ、JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、トラブルなく終了したということです。

23年と24年に燃焼試験で爆発 開発に遅れ

イプシロンSは、JAXAが2020年から開発を進めている次世代の国産小型ロケットですが、2023年と2024年に新型の第2段エンジンの燃焼試験で爆発が起き、開発が難航していました。

JAXAはこの新型エンジンの採用をいったん見送り、今回の試験では、従来型をベースにしたエンジンに変更しています。

JAXAの責任者「イプシロン復活に向け大きなステップ」

JAXAの井元隆行イプシロンロケットプロジェクトマネージャは、きょうの燃焼試験について、「全般として今得られているデータからすると良好な結果を得られている。イプシロン復活に向けて大きなステップになった」と話し、打ち上げ再開へ向け意義ある一歩となったという見解を示しました。

その上で、「地上で試験を成功させるだけではダメで、まずは実証機の打上げ これを成功させないとこれが本当に悲願」と実証機につなげる重要性を強調しました。

イプシロンSとは 打ち上げ目標はいつ?

「イプシロンS」は、大型衛星を打ち上げる「H3ロケット」と並び、小型衛星の打ち上げを担う日本の「基幹ロケット」と位置づけられています。

世界的に小型衛星の需要が急増するなか、JAXAは今回の試験結果などを詳しく分析して、今年度中の実証機打ち上げを目指しています。

ただ、当初目指していた新型の第2エンジンではなく、従来型の改良エンジンを使うことから、予定していた打上げ能力の低下は避けられません。

当初は600キログラムの衛星打ち上げを目指していましたが、スペックは400キログラム以上になる見通しです。

このため重量のある衛星や複数の衛星の打上げは難しいとの見方です。

ただ、日本の小型衛星の打ち上げ能力は「空白」となっていて、イプシロン復活は、日本の宇宙ビジネスや宇宙開発で大きな意義を持ちます。

JAXAはきょうの試験データの詳細な分析のほか、エンジンを切断するなどして詳細に調べ、まずは実証機の打ち上げにつなげる方針です。