知らぬ間に数十万円の出費も…睡眠中の歯ぎしりが招く“歯の破産”
そんな症状に心当たりはないでしょうか。年齢のせい。疲れのせい。あるいは歯の老化だと思っている人も多いかもしれません。しかし実は、その原因が“寝ている間”に起きている可能性があるのです。
仕事のストレス、人間関係のプレッシャーや将来への不安。日中は平然と過ごしていても、体は正直です。眠っている間に無意識で歯を強く噛みしめたり、ギリギリと歯を擦り合わせたりする「歯ぎしり」は、知らないうちに歯そのものを破壊していくことがあります。しかも厄介なのは、寝ている間なので本人に自覚がないケースが多いことです。
気づかないうちに歯をすり減らし、将来の健康だけでなく、いつか必要になる治療費という“見えない負債”を積み上げているかもしれないのです。今回は、夜間の歯ぎしり、食いしばりについて解説します。
◆睡眠中の歯ぎしりは想像以上に力が強い
睡眠中の歯ぎしりは想像以上に力が強いものです。歯ぎしりというと、「ギリギリ音がする迷惑な癖」というイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし歯科医が問題視しているのは、音ではなく“力”です。実は睡眠中の歯ぎしりや食いしばりでは、普段の食事よりも強い力が歯に加わることがあり、その負担が長時間繰り返されることが問題なのです。
普段は、食事の際など必要に合わせて、噛む力をコントロールしています。しかし睡眠中は無意識の状態です。そのため、自分でも気づかないうちに強く噛み締めてしまうことがあるのです。歯ぎしりの力は個人差がありますが、自分の体重に近い力、あるいはそれ以上の力が歯や顎に加わります。つまり、体重60kgの人なら、夜な夜な60kgのダンベルで歯をゴリゴリと踏み続けているようなもの。あるいは「毎晩、大人の男性に顎を全力で踏まれている」と言い換えてもいいかもしれません。
そんな過酷なプロレス級の衝撃が、数秒ではなく一晩に何度も繰り返されているのです。どんなに丈夫な歯でも、長年にわたって負荷がかかり続ければ少しずつダメージは蓄積します。
歯がすり減る。歯の根元部分が欠けてくる。詰め物が外れる。被せ物が割れる。時には健康な歯そのものが欠けたり、ヒビが入ったりすることもあります。
