女帝マリア・テレジアが愛した「シェーンブルン宮殿」本当に泊まれる世界遺産を紹介!【眠れなくなるほど面白い 図解 世界遺産】

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多種多様さに驚く!【テーマで読む世界遺産】

テーマを軸に読み解くことで、遺産が語りかけるストーリーやその価値がより鮮明に見えてきます。

泊まって味わう世界遺産

シェーンブルン宮殿と庭園

マリア・テレジアが愛した宮殿

 オーストリアのウィーンにあるシェーンブルン宮殿は、ハプスブルク家の女帝マリア・テレジアが大規模な増改築を行い、居城とした宮殿です。17世紀末、神聖ローマ皇帝レオポルト1世が夏の離宮として造営を決め、18世紀以降は夏の居城として整備されます。マリア・テレジアが即位すると、外壁をピンクから、後に「マリア・テレジア・イエロー」と呼ばれる黄色に塗り替え、外観は重厚なバロック様式に、内観は繊細で優雅なロココ様式に統一しました。ちなみに1814年にはウィーン会議の舞台にもなりました。

 現在では宿泊が可能で、一日一室限定のグランドスイートルームで、当時の宮廷気分を堪能できます。

DATA

保有国:オーストリア共和国 登録年:1996年 登録基準:(i)(iv)

庭園にはプロイセンへの勝利を記念したグロリエッテ(戦勝記念堂)や、世界最古の動物園、ガラス建築の植物園などが立ち並ぶ。

FOCUS 

シンプルな外観とは対照的に、内観はロココ様式の装飾や絵画で飾られている。

【THINK!】国際会議において、建築が外交に与える影響は?

グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区

イスラム王朝最後の宮殿都市

 スペインのアンダルシア地方グラナダにあるこの世界遺産は、イベリア半島最後のイスラム王朝ナスル朝が築いた宮殿都市です。1238年にムハンマド1世が着工したアルハンブラ宮殿は、約170年掛けて完成し、イスラム建築の最高峰と称されました。要塞でありつつ、宮殿内はイスラム文化の特徴であるアラベスク模様や、洞窟の鍾乳石を模した天井装飾ムカルナスなどにより繊細に彩られています。

 また、敷地内には、旧サン・フランシスコ修道院を改装したパラドールと呼ばれる国営ホテルがあり、宿泊しながら宮殿都市の趣を存分に味わうことができます。

DATA

保有国:スペイン 登録年:1984年 登録基準:(i)(iii)(iv)

宮殿の中心には、王のプライベート空間である「ライオン宮」と王が公務を行ったとされる「コマレス宮」がある。

FOCUS

「ライオン宮」は、中庭の噴水を囲む12頭のライオン像に由来する。

【THINK!】世界遺産を保存する上で、ホテルにするメリットは?

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界遺産』監修:宮澤 光 / イラスト:どくだみ三銃士

【監修者紹介】
宮澤 光(みやざわ・ひかる)
NPO法人世界遺産アカデミー主任研究員。北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。跡見学園女子大学非常勤講師。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。