2日に行なわれた欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝のACミラン戦で0−3の大敗を喫し、あと一歩のところで決勝進出を逃したマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は試合後、コンディション面での差が出た結果に悔しさを滲ませた。

 先週行なわれたファーストレグで3−2の勝利を収めたマンUは、1998-99シーズン以来のファイナル進出を賭け、ミランの本拠地サン・シーロに乗り込んだ。しかし、序盤からMFクリスチアーノ・ロナウドやFWウェイン・ルーニーなど、中心選手の低調なパフォーマンスが目立つマンUは、11分にMFカカのゴールを許すと、30分にもMFクラレンス・セードルフに追加点を決められ万事休す。その後、78分にFWアルベルト・ジラルディーノにもダメ押しゴールを決められ、0−3の完敗を喫した。この結果について試合後、「正直言って、点を取れる気がしなかった」と語ったファーガソンは、調整段階で勝敗が決まっていたと振り返った。

「あまりにも簡単に失点を許してしまった。このレベルでは許されないことだ。いずれにしても、ミランはコンディション面で我々を上回っていた。彼らは今日の試合に向けて主力を休ませていたのだからね。スピードとキレに明らかな違いがあったし、プレスも効いていた。ミランは勝利に値するチームだ」

 この結果、プレミアリーグのタイトルレースに全精力を傾けることとなるマンU。土曜日のマンチェスター・シティ戦に勝利し、日曜日のアーセナル戦で2位チェルシーが敗れれば、念願のタイトル獲得が決定するだけに、ファーガソンは「いつまでも落ち込んではいられない」とチームを鼓舞している。

「残念な結果について、いつまでも悔やんでいる暇はない。もうすでに過去のこと。いまは土曜日の試合が重要だし、選手たちもそれは理解しているはず。今週にも優勝が確定する可能性があるのだから、しっかりとコンディションを整えたい」

 自慢の攻撃陣が沈黙し、なすすべなく欧州の舞台から姿を消したマンU。今シーズンの目標に“覇権奪回”を掲げるファーガソンにとっては、屈辱的な大敗が与える心理的な影響を懸念せざるを得ないといったところだろう。