インテルが06−07季のセリエA優勝に輝いた。セリエA第33節が行われた22日、シエナ相手に1−2アウェイ勝利を飾ったインテルは勝ち点を「84」に、勝ち点「68」で首位を追う2位ASローマが同日、アタランタ相手に2−1アウェイ負けを喫した為に両者の勝ち点差は「16」に拡大。今季終了まで5試合を残した段階で、インテルの15度目となるセリエA優勝が決定した。

インテリスタ(インテルサポーター)の悲願がついに達成した。恒例となった開幕前の大型補強。「今年こそは!!」との夢を抱かせるに十分な顔ぶれが毎年揃った。豪華な包み箱は、だが、蓋を開けると失望の連続だった。お家芸となった内部分裂、全く機能しないチーム、スター選手のスキャンダル・・・。88−89季以降(昨季の繰上げ優勝を除く)、自滅を繰り返すインテルに、スクデット(セリエA優勝)は遠かった。それでもチームを支えるインテリスタに、いつしか「忍耐強い・我慢強い」との皮肉のこもった枕詞が定着した。

名門ユベントスのセリエB降格、ライバル勢のペナルティスタートで迎えた今季。優勝して当然との嫉妬が渦巻く中、潔白インテルが激動の06−07季を制覇した。インテリスタで埋め尽くされた敵地アルテミオ・フランキの芝上で、「全てのインテリスタに捧げる。世界中のインテリスタに・・・」と最後の声を振り絞ったマンチーニ監督。背番号「15」、「CAMPIONI(チャンピオン)」のネーム入りユニフォームに身を包んだ監督の表情は、零れ落ちそうな涙を必死にこらえる男の笑顔だった。

佐藤 貴洋