Meta、スマートグラス用アプリ開発者向けSDKキット発表も、先行アプリ弱すぎ?
虫好きなので、虫を識別するアプリ希望。
新しいデバイスのカテゴリーを立ち上げるときは、さまざまなハードルに直面するもの。なかでも、最も差し迫った難題のひとつは、「そもそもこれって何にどう使えばいいの?」という問いに答えること。
この複雑かつ重要な問いに対するMeta(メタ)の答えは、どうやら「かくれんぼアプリ」だったようです。
MetaがAIスマートグラス向けのSDKキットを発表
同社は、Ray-Ban Meta AIスマートグラスとMeta Ray-Ban Display向けに開発中の新アプリを紹介するブログ記事のなかで、Metaのスマートグラスに搭載されたカメラやスピーカーを使った、アプリ開発者向けのSDKキット(Wearables Device Access Toolkit)を通じて開発が進められている新機能の数々をお披露目しました。なお、スクリーン搭載のMeta Ray-Ban Displayはまだ対象外とのこと。
画期的な新機能のなかには、植物を識別するアプリ、絵を描く様子を記録するタイムラプスアプリ、勉強する様子を見守ってくれるアプリ、そして、子どもたちと遊んでいるところを記録するかくれんぼアプリなどがあります。
Ray-Ban Meta AIスマートグラスとMeta Ray-Ban Displayの日本での販売価格は未定ですが、これらのアプリをきっかけに、800ドル(12万6000円)のスマートグラスを買うためにレイバン販売店に駆け込む人が続出…とはならない気がしますね。お高い買い物になるので、これから本当の目玉アプリが出てくると信じたいところ。
アクセシビリティ関連機能には注意が必要
公平を期すために付け加えておくと、あまりパッとしないアプリのお披露目のなかにも、潜在的に役立ちそうなものもあります。
とはいえ、最も魅力的なアプリは、すべてアクセシビリティ(障害のある人への配慮)に関連するもの。たとえば、Airaというアプリとの連携機能では、「視覚障害のあるユーザー向けのサービスを、ユーザーの視点に直接接続することで、AIグラスを用いたリアルタイムの視覚的解釈」を提供します。実際には、AIグラスのカメラ映像を活用して、リアルタイムで確認できるプロの通訳者が、着用者の周囲の状況を音声で案内します。
同様に、Oorionという開発者は、視覚障害のある人や弱視の人が周囲の状況を把握できるよう、グラスのカメラを利用した物体および文字認識アプリの開発に取り組んでいるそう。Metaのブログでは、アプリを使って公園のベンチを識別しています。
障害者がMetaのAIスマートグラスを使いたいと思うかどうかは、また別の話です。特に、Metaが顔認識技術の使用を正当化する手段として、アクセシビリティに狙いを定めていると報じられていたり、顔認識機能によるプライバシー侵害問題を懸念した米連邦上院議員や市民団体がMetaに説明を求める書簡を送付したりしている状況を考えると、なおさら慎重になった方がよさそう。
Apple Watchと同じ道をたどる?
いまのところ、MetaのスマートグラスはApple Watchと同じ課題があるように思われます。可能性は秘めているけど、明確な目標が定まっていない感じ。
もちろん、Metaはアプリ不足の解消に取り組んでいますが、開発者にせよ、Meta自身にせよ、この問題を解決できる保証はありません。
Apple Watchが健康管理機能でキラーアプリに思いがけずたどり着いたように、スマートグラスも偶然その突破口を見つけるかもしれません。ただ、かくれんぼアプリがその予兆だとしたら、「これだ!」とひらめくまでの道のりはまだ長そうです。
まあいいか、大丈夫だろう、と油断して導入を許した機能による問題が起きてからでは、規制をするのは難しいので、混とんとした世相のどさくさに紛れてなし崩し的に顔認識機能が付いてしまう前に、Metaはかくれんぼしていないで、ちゃんとプライバシー問題について声明を出してほしいところです。そして、虫好きのために昆虫認識アプリの開発をぜひ…。

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