JRT四国放送

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各地で新年を迎える準備が進んでいますが、お正月の食卓にはやはりおせち料理が欠かせませんよね。

しかし、近年は様々な理由で一人暮らしだというお年寄りも増えています。

きょうは、そんなおひとり様でも楽しめるおせちを取材しました。

(記者)
「徳島市内のお寿司屋さんにやってきました。もうこんな季節なんですね。こんにちは」

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「いらっしゃい」

(記者)
「あ、小さな容器があります、これ実はおせち用の三段重なんです」
「これが普通のお重の大きさで、比べてみるととっても小さいです。このかわいらしいお重、お一人様用なんです」
「どうして、一人用のおせちを作ろうと思ったんですか」

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「そうですね、最初は僕の中学の時の友達のお母さんに頼まれたというか、お母さんもずっと一人暮らしをしていて、僕は中学の頃から面倒見てもらっていたんですよ」
「少しでも恩返しというか、そういう気持ちで食べてくれたらなと思ったのが始まりで」
「友達もなかなか東京に行って帰ってこれなくて、ひとりぼっちなので、年に一回様子を見に行くような感じで渡しに行くんですけどね、そのまま」

通常のおせちは量が多く、一人では食べきれないという声にこたえ、このお一人様用おせちを始めました。

富山・氷見産のアジ。

丸々と太り、脂がのっています。

このほかにも、全国から仕入れた旬の魚が所狭しと並びます。

今から10年ほど前、お世話になった友人のお母さんのために作り始めたお一人様用おせちですが、当初はもちろん売り物ではなく、あくまで個人的な贈り物でした。

しかし、一方で通常サイズのおせちは毎年、一段・二段・三段重、あわせて約120もの注文が入ります。

年末年始はアルバイトも雇って、てんやわんや。

とても、お一人様用を作る余裕はありません。

でも…。

こうしてお寿司を握っていると、カウンター越しにお客さんの切実な声が聞こえてきます。

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「去年もそうなんですけども、(お客さんが)おじいちゃん、おばあちゃんが老健施設に入っているから」
「お正月だけでも、ちょっとだけでも華やかな気分を味わってほしいって言って、去年(一人用おせちを)持って帰ってくれたんですよ」
「今年もまた注文頂いてて、喜んでくれたよって去年持って帰ってくれたんですよ、今年も持っていくのでお願いしますと、注文があったので」

こうして、お一人様用おせちの商品化を決めました。

サイズは小さくとも、作る手間は変わりません。

使う食材も同じです。

梅の形に切ったニンジン。

柚子の器に入ったなます。

黒豆と金箔がお重を華やかに彩り。

福の文字が正月気分を盛り上げます。

めでたい紅白のしま模様。

徳島のおせちに欠かせないアシアカエビと、ナガレコの煮つけが入ります。

厨房を飛び出した瀬川さん。

太陽の動きに合わせて移動させるのは、日本三大珍味の一つ、からすみです。

瀬戸内産のボラの卵巣を一日塩水に漬け込み、日々の天候を見ながら一か月干して完成させます。

お店自慢の一品です。

もちろん、おせちにも入ります。

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「おまたせしました、こんな感じにできました」

おひとり様用のおせちは、三段重のみ。

28個限定です。

海老芋やクワイなど、伝統的なおせちの品々から、豚の赤味噌煮などのアレンジの効いた現代風のものまで盛りだくさんです。

(記者)
「将来の見通しが良くなりますように、レンコンいただきます」

カウンターで酒を飲み、寿司をつまんだ男たち。

熱く語り合うのは、いつも仕事の話だった。

そんなあいつも、今は一人暮らしらしいよと、風の便りに聞いたのさ。

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「はい、幸楽です。久しぶりやね」

(客)
「ところで、おせちの予約ってまだ間に合うのかな」

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「おせちの予約、まだ承っていますよ」

(客)
「そしたら(普通サイズの)三段重ねでと言いたいところだけれど、今年は一人用で」

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「あ、そう。今年は誰も帰ってこないの」

(客)
「いつもだったら息子が孫を連れて帰ってきてくれていたんだけれど、今年は元日まで仕事で帰れないって言うし」

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「そうなんだ、それはしょうがないな。仕事だったらな」

(客)
「やっぱり一人でも、おせち食べたいしね」

(幸楽・瀬川高弘 代表)
「寂しさ埋めるように、愛情いっぱい詰めとくわ」

(客)
「ありがとう」

(記者)
「単身赴任の方や、一人暮らしのおじいちゃんやおばあちゃんへ」

お一人様用の三段重は、12月22日まで数量限定で予約を受け付けているということです。