(C)2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会

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『電撃マオウ』(KADOKAWA)にて好評連載中の苗川采による人気コミック『私を喰べたい、ひとでなし』(略して『わたたべ』)が、この秋TVアニメ化され、現在絶賛放送中! 妖怪を惹きつける血肉を持つ八百歳の比名子、彼女を”最高の状態で喰べる”ために成熟するまで守ると語る人喰い人魚・近江汐莉、そして比名子の親友であるクラスメイト・社美胡。三人の少女たちの想いが交錯する、美しくも切ない人と妖怪の物語。その行方とは?
今回は、比名子役の上田麗奈さんと汐莉役の石川由依さんに、本作の印象や演じてみての感想について語っていただきました。

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――原作コミックなどを読んで、この作品に触れたときの感想からお聞かせください。

上田 シリアスな物語でありながら、コミカルなパートやホラー要素もあって、メリハリがしっかりしていて読み応えのある素敵な作品だなという印象でした。
ストーリー自体も、比名子・汐莉・美胡の三人の想いが絶妙に噛み合わないところが、すごくもどかしくて。人の生き死にが描かれている場面や胸が苦しくなるような展開もある作品なので、「このもどかしさを楽しんで観ていいのかな?」と、少し戸惑いながら読んでいた記憶があります。

石川 海の底に沈んでいくような重さや息苦しさがありつつ、どこか幻想的な美しさも感じられて、その世界に身を委ねたくなるような、不思議な魅力のある作品だなと感じました。
それぞれの強い想いによって、かろうじて保たれている三人の壊れやすい関係性が、とても尊く感じられて……とても不思議な気持ちにさせてくれる作品だと思いました。

――演じているキャラクターの印象についてお聞かせください。

上田 比名子は「死にたい」と言っている姿がすごく印象的で、インパクトの強いキャラクターだなと思いました。
アフレコの際、ディレクションで「恨みや悲しみ、怒りのような強い感情を抱いているわけではなく、それらを抱くことすら難しくなっている状態で演じてほしい」と言われて。なので、心の深いところに沈んでしまっているようなイメージを持って演じていました。
でも、比名子は人と話すとき、無意識なのか意識的なのか、相手に波長を合わせようとしている節があるんです。
それって、きっと相手のことをすごく考えて行動する子だからなんだろうなって。自分の中に強い意志や信念のようなものはあるけれど、どうしても人の気持ちに寄り添ってしまう……そんなところが比名子らしいなと思いながら演じました。

石川 汐莉はすごく不思議な雰囲気をまとっている子だな、という印象でした。どこか人の心を見透かしているようなところがありつつ、強引だったり優しかったり、何を考えているのか掴みきれない部分がある。とても捉えどころのないキャラクターだなって思っています。
比名子への強い想いを軸にしながら、真剣に接しているときとおちゃらけているときの落差や感情の振れ幅を意識して演じました。

オーディション合格を手放しに喜べなかった比名子という役

――それぞれ演じている役をオーディションで射止めたとのことですが、決まったときにはどんなことを思われましたか?

上田 そもそも、オーディションがすごくしんどかった記憶があります。比名子の内面に触れるシーンを演じたんですが、やってみたらすごく苦しくなってしまって……。この繊細さ、危うさ、そして溢れ出そうなほどの強い想いを抱えながら全話を収録していくと思うと、体力的にも精神的にもかなり疲弊するアフレコになるだろうなって思ったんです。なので、合格を聞いたときも手放しで「嬉しい!」「楽しみ!」とは思えなくて。緊張と不安が入り混じった中で、「とにかくやってみるしかない」という気持ちが強かったと思います。

――実際に比名子を演じてみての感想をお聞かせください。

上田 本当に大変でした(笑)。比名子は気力がない状態から始まるんですが、汐莉と出会ってから「希望があるかも」「救いがあるかも」という光が心に芽生え始めて、沈んでいた感情が徐々に浮かび上がってくるようになるんです。そこからポジティブな感情もネガティブな感情も次第に生まれていくんですが、それをどのくらいの加減で表現するかが本当に難しくて。比名子自身がその感情に気づいているのか、あるいは本心からではない笑顔を見せているのか……正解が見えない中で探りながら演じるのはすごい大変でした。なので、なるべくライブ感を大事にして、汐莉や美胡からかけられる言葉や行動に素直に反応しながら、「比名子だったら、もう少しこうかもしれないな」と、手探りで演じていった感じです。

――石川さんは、汐莉役に決まったとき、どんなことを思われましたか?

石川 とても繊細な演技が求められる役だったので、どう表現するかが自分にとっても大きな挑戦でしたし、その分すごくやりがいも感じました。
あと、オーディション結果を見たときに、比名子役のうえしゃま(上田)と、美胡役のファイ(ファイルーズあい)ちゃんの名前を見つけて──。
この作品は、メインの三人の会話劇が大事なので、信頼している二人と一緒にどういう掛け合いができるか、とても楽しみでした。

――ファイルーズさん演じる美胡については、どんな印象をお持ちですか?

上田 まるで太陽のように明るい子ですよね。隣で会話しているだけで空気が温かくなって、明るくなる感じがありました。
比名子を演じているときも、美胡の前ではふっと肩の力が抜けて、自然と胸を開いて深呼吸できるような感覚があって……すごくホッとさせてくれる存在でした。

石川 美胡は常に海の底に沈もうとしている比名子を、明るさで現実に引き戻して、現世にとどめてくれている存在だと思っています。
すごくお人好しだし、愛のある子でもあるんですよね。彼女がいるからこそ、比名子もこの世界に踏みとどまっていられるんじゃないかなって……そんな気がしています。

――実際に三人で掛け合いをしてみての感想はいかがでしたか?

石川 壊れてしまいそうなほど繊細で脆い比名子の雰囲気を、うえしゃまが常にまとっていてくれたので、私も自然とその世界観に入っていけました。
ファイちゃんも、美胡の明るさそのままに、沈みすぎないように引き戻してくれるようなお芝居をしてくれて。
汐莉は比名子と美胡の間を行き来するようなポジションですが、二人がしっかりとした柱になってくれていたこともあって、とても演じやすかったです。

EDテーマで上田が歌った、救いと希望と比名子の微笑み

――収録時の思い出などがあれば教えてください。

上田 ファイちゃんが、おうちにあったお菓子をたくさん持ってきてくれて、「どうぞ」って。

石川 配ってくれたね。あと、ハンドクリームもくれたよね。

上田 くれましたね(笑)

石川 「友情の証」みたいな(笑)。香りが違ってて「どっちがいい?」って聞かれたんですけど、選べずにいたんです。そしたら「じゃあ、私の印象で選ぶね」って言って、それぞれに合った方をくれました(笑)。

――一緒にいると笑顔になるような、まさに美胡みたいな存在だったんですね?

石川 はい、現場を明るく楽しくしてくれていました。

――上田さんはエンディングテーマ「リリィ」も歌われています。

上田 仄暗い比名子の日常をイメージさせるような歌い出しなんですが、サビでは比名子の表情がふっとほころぶような、そんな情景が浮かぶ曲になっているのかなって思っていますので、ぜひ、そんな彼女の姿を想像しながら聴いていただけたなら嬉しいです。

石川 メロディは明るくも感じられるんですが、だからこそ比名子の心情と重ね合わせると、とても胸に迫る楽曲だったりするんですよね。
うえしゃまの歌声も繊細で素敵で、アニメ本編を観たあとに聴くことで、曲に込められた一筋の希望や救いの光を、皆さんにはより一層強く感じてもらえるんじゃないかなって思っています。

――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

上田 比名子の沈んだ心、絡まった心は、一筋縄では解きほぐせないものだと思っています。進んだり戻ったり、希望が見えたと思ったらふっと消えてしまったり。
そんな危うさを見つめながら、ぜひこれからも彼女のことを見守っていただけたらと思います。汐莉との関係も、今後どう形作られていくのか予想がつかない部分がありますので、そういったところにも注目してご覧いただけたなら嬉しいです。

石川 汐莉は、比名子にとって味方なのか敵なのか、まだ分からない存在です。「喰べたい」と言っている彼女の真意や、なぜそこまで比名子に想いを寄せているのかも、まだ明かされていません。
突然現れた汐莉によって、比名子や美胡との関係が今後どう変わっていくのか。そして、三人の中にこれからどんな想いが生まれていくのか──そんな点にもぜひ注目して楽しんでいただけたらと思います。

上田麗奈(うえだれいな)
1月17日生まれ。81プロデュース所属。主な出演作はTVアニメ『mono』(秋山春乃)、『わんだふるぷりきゅあ!』(キュアリリアン/猫屋敷まゆ)、『アオのハコ』(鹿野千夏)、『負けヒロインが多すぎる!』(朝雲千早)、『わたしの幸せな結婚』(斎森美世)、『SSSS.GRIDMAN』(新条アカネ)ほか。

石川由依(いしかわゆい)
5月30日生まれ。mitt management所属。主な出演作は『永久のユウグレ』(ユウグレ)、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(ニャアン)、『進撃の巨人』(ミカサ・アッカーマン)、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ヴァイオレット・エヴァーガーデン役ほか。