シオマネキにみる海ごみの現状 藍住町で環境フェスティバル【徳島】
県は、秋のごみゼロウィーク強化期間に合わせて、海のごみについて考える環境フェスを藍住町で開催しました。
その環境フェスから、絶滅が危惧される吉野川河口のシオマネキの姿を取材しました。
■海に行かないとわからないこと
(県環境指導課・加藤貴弘 課長)
「周りの家族に、海にいつ行きましたかって言うと、ほとんど何年も行ってないと、そういうようなことを聞いて」
「行かないとやっぱり海の印象って、こんなにゴミがあるんだとわからないので」
■海ごみでつくったモニュメント
(記者)
「藍住町、ゆめタウンにやってきました」
「こちらでは環境フェスが開かれています、テーマは海洋ゴミについて考えようです」
展示されていたのは、7体の巨大なモニュメント。
徳島の海に流れ着いたゴミで作られています。
■ライターやビーチサンダルだけでも
(記者)
「これらの作品は『おおびとさん』(作品名)」
「海のごみが産み落としたおばけなんでしょうか」
「頭、胴体、腕、足、こちらのおおびとさん。すべて使い捨てライターで作られています」
「少しわかりにくいんですが、頭、腕、ながーい胴体」
「そして、足、全てビーチサンダルでできているんです」
(記者)
「こちら全部海のごみで出来ているんですが、どう思いますか」
(買い物客)
「こんなにゴミが落ちていると思わなくて、びっくりした」
「今後、魚とかがごみがあると食べると思うので、子どものためにも魚のためにも」
「ごみを捨てないように、子どもにも言い聞かせようと思う」
■海ごみの8割は陸から
(県環境指導課・加藤貴弘 課長)
「やっぱり海のごみの8割方が、陸地から流れていくものだと言われておりまして」
「それは、河川から海に行ったことで様々な生物に影響も与えますし」
海のごみがむしばむもの。
それは生き物の住処です。
環境フェスでは海のごみで作られた作品のほか、吉野川の干潟の生物を守ろうと、清掃活動を行う人々の写真も展示されました。
■吉野川の干潟へ
(記者)
「ここは吉野川の河口干潟です。見てください、ここには流木やヨシなどの漂着ごみが流れ着いています」
「でも、5年前はこんなものじゃなかったんです」
(とくしま自然観察の会・井口利枝子 代表)
「2019年に阿波踊りが半分中止になった年は、台風と一緒に、ここにもこの泥が見えないぐらい2メートルぐらいの厚さで」
「流木とか人工ゴミとかが流れ着いたっていう状況がずっと続きました」
「取っても取っても続いた」
「2019年からゴミの量を計算してみたら、大体50回ぐらいごみの清掃活動をしたんですけど、ごみの量が大体150tぐらいです」
2019年より前は、大がかりな清掃活動は5年に1回程度でしたが、異常気象が続く近年は、台風の接近がなくても干潟に大量のゴミが流れ着くようになりました。
■「シオマネキは元気な川のバロメーター」
井口さんが清掃活動を続けるのは、この干潟が環境省のレッドリスト・絶滅危惧Ⅱ類に指定されている、シオマネキの貴重な生息地だからです。
片側のはさみが大きい、シオマネキ。
井口さんたち「とくしま自然観察の会」が観察を始めた30年程前には、この干潟にたくさんの姿を見ることができました。
(とくしま自然観察の会・井口利枝子 代表)
「吉野川では当たり前にまだ見えるんですれけど、環境省の絶滅危惧Ⅱ類で全国の川や干潟からほとんど姿がなくなっている」
「干潟は生物多様性の宝庫と言われていて、シオマネキがこれだけたくさんいるということは」
「川の環境が健全な状況、いい状況っていうことの象徴です」
「吉野川が元気な、ひとつのシオマネキは、元気な川のバロメーターだと私たちは考えている」
シオマネキは干潟に穴を掘って住み、泥の中の栄養分を餌にしています。
干潟にゴミが溜まると、シオマネキは生きていけません。
そんな吉野川の河口干潟ですが、2025年、長年のゴミ清掃の活動成果が見えてきました。
■アオガニが増加
(とくしま自然観察の会・井口利枝子 代表)
「これ、みんながたくさん歩いたから、ここに道ができてるんだよね」
「これぐらいのサイズなんだよね、赤ちゃんって」
色鮮やかな、小さな青いカニ。
生まれたばかりのシオマネキです。
2025年は、赤ちゃんであるアオガニの数が例年になく増えたといいます。
(とくしま自然観察の会・井口利枝子 代表)
「わたしたちが5年間みんなでごみを除いて来て、泥干潟が戻ってきたっていうのは」
「赤ちゃんガニもちゃんと戻ってきたのは、今までの成果かなと思っている」
井口さんたちの、息の長い清掃活動の末に戻りつつあるシオマネキ。
シオマネキにとっての生息地は、同時に私たちにとってもかけがえのない自然であり、守っていかなければならない宝物です。
