「軽率なプレーだった」と反省も、GK阿部航斗が貫いた“新潟らしさ”「そこで怖がってしまうと…」
2024JリーグYBCルヴァンカップ・決勝が11月2日に行われ、初のタイトル獲得を懸けて同試合を戦ったアルビレックス新潟は、3−3というスコアで突入したPK戦の末、名古屋グランパスに敗れた。
今大会を通して新潟のゴールマウスを託されてきたGK阿部航斗にとっては、悔しさの残る一戦となった。これまで、2024明治安田J1リーグではGK小島亨介が新潟の“正守護神”として30試合を守っている。阿部は今季5試合のみの出場にとどまっていたが、2024JリーグYBCルヴァンカップでは、トラブルによる欠場を強いられたプレーオフラウンド第1戦のV・ファーレン長崎戦(○2−1)を除く7試合に出場。最後尾からチームを支え、新潟をファイナルの舞台へと導いていた。
「決勝に進んだ時点で、試合に出ることは決まっていました」。試合後にこう明かした阿部は、小島が名古屋の育成組織出身であることも考慮し、「相手が名古屋ということもあって出たい思いはあったと思う」と“ライバル”の心境を推察する。「『なんとか彼のためにも』という思いを持っていました」と、小島の思いも背負ってゴールマウスに立った。
前半は立ち上がりから新潟が理想とするような形で前進できる場面が多く、阿部も中央を使うビルドアップで組み立てに参加。マンツーマンでハメにくる名古屋の攻撃に対して、個の優位性で上回るプレーを披露したが、一方で縦パスを通した後のプレーで周囲とリンクできず、カウンターを喰らう場面が皆無だったわけでもない。悪くない時間が続きながらも仕留められない。このような状況で迎えた31分、阿部からMF秋山裕紀を狙ったパスがズレてしまい、FW永井謙佑に先制点を許した。
阿部は「完全に自分の視野確保のミスで、永井選手の位置が把握できていなかったですし、もっと視野を広く持ってプレーしなければならなかった。軽率なプレーだったなと思います」と反省の弁を口にする。一方で、新潟が大事にしてきた“後方から繋ぐスタイル”を否定するつもりはない。
「あのようなプレスの相手にも怖がっちゃいけないと思いますし、失点以外の場面は自分たちも自信を持って繋ぐことができていました。良い形で前進できているシーンも多かったと思っています。だからこそ、あのような失点は避けなければなりませんでした」
このような考え方を持っていたからこそ、その後も無意味にボールを蹴り出すようなことはせず、自身が“その瞬間”にできるプレーを遂行。「相手も狙ってくると思いますが、そこで怖がってしまうと、チームもうまくいかないですし、個人的にも成長はありません」。チームメイトからは「切り替えるための声掛け」があり、結果として「ビビらずやれていたかなと思います」。後半には中央を通すパスからチャンスの起点となるなど、ブレることのない姿勢を貫いた。
自らのミスでなかったとしても、一発勝負のファイナルの舞台で1点は重くのしかかるが、阿部のメンタルがネガティブな方向に傾くことはなかったという。「自分で言うのは変な話ですが」と前置きしつつ、口にしたのは「ミスからの失点も、スーパーシュートによる失点も、同じ1失点であることに変わりはありません」という言葉。「試合は続くので、あそこでメンタルがブレてしまうと、相手に狙われてしまう」という思いを持ち、いつものプレーに徹した。
前半終了間際には名古屋に追加点を許し、新潟としては窮地に立たされた。だが、71分にMFダニーロ・ゴメスが上げたクロスボールから、FW谷口海斗がヘディングシュートを叩き込んで1点を返すと、後半アディショナルタイムの“ラストプレー”ではFW小見洋太が自ら獲得したPKを沈め、試合を振り出しに戻す。劇的な形で同点に追いついたことを受けて、阿部は「チームメイトへの感謝」を口にした。
今大会を通して新潟のゴールマウスを託されてきたGK阿部航斗にとっては、悔しさの残る一戦となった。これまで、2024明治安田J1リーグではGK小島亨介が新潟の“正守護神”として30試合を守っている。阿部は今季5試合のみの出場にとどまっていたが、2024JリーグYBCルヴァンカップでは、トラブルによる欠場を強いられたプレーオフラウンド第1戦のV・ファーレン長崎戦(○2−1)を除く7試合に出場。最後尾からチームを支え、新潟をファイナルの舞台へと導いていた。
前半は立ち上がりから新潟が理想とするような形で前進できる場面が多く、阿部も中央を使うビルドアップで組み立てに参加。マンツーマンでハメにくる名古屋の攻撃に対して、個の優位性で上回るプレーを披露したが、一方で縦パスを通した後のプレーで周囲とリンクできず、カウンターを喰らう場面が皆無だったわけでもない。悪くない時間が続きながらも仕留められない。このような状況で迎えた31分、阿部からMF秋山裕紀を狙ったパスがズレてしまい、FW永井謙佑に先制点を許した。
阿部は「完全に自分の視野確保のミスで、永井選手の位置が把握できていなかったですし、もっと視野を広く持ってプレーしなければならなかった。軽率なプレーだったなと思います」と反省の弁を口にする。一方で、新潟が大事にしてきた“後方から繋ぐスタイル”を否定するつもりはない。
「あのようなプレスの相手にも怖がっちゃいけないと思いますし、失点以外の場面は自分たちも自信を持って繋ぐことができていました。良い形で前進できているシーンも多かったと思っています。だからこそ、あのような失点は避けなければなりませんでした」
このような考え方を持っていたからこそ、その後も無意味にボールを蹴り出すようなことはせず、自身が“その瞬間”にできるプレーを遂行。「相手も狙ってくると思いますが、そこで怖がってしまうと、チームもうまくいかないですし、個人的にも成長はありません」。チームメイトからは「切り替えるための声掛け」があり、結果として「ビビらずやれていたかなと思います」。後半には中央を通すパスからチャンスの起点となるなど、ブレることのない姿勢を貫いた。
自らのミスでなかったとしても、一発勝負のファイナルの舞台で1点は重くのしかかるが、阿部のメンタルがネガティブな方向に傾くことはなかったという。「自分で言うのは変な話ですが」と前置きしつつ、口にしたのは「ミスからの失点も、スーパーシュートによる失点も、同じ1失点であることに変わりはありません」という言葉。「試合は続くので、あそこでメンタルがブレてしまうと、相手に狙われてしまう」という思いを持ち、いつものプレーに徹した。
前半終了間際には名古屋に追加点を許し、新潟としては窮地に立たされた。だが、71分にMFダニーロ・ゴメスが上げたクロスボールから、FW谷口海斗がヘディングシュートを叩き込んで1点を返すと、後半アディショナルタイムの“ラストプレー”ではFW小見洋太が自ら獲得したPKを沈め、試合を振り出しに戻す。劇的な形で同点に追いついたことを受けて、阿部は「チームメイトへの感謝」を口にした。