JR九州は31日、子会社が浸水を隠したまま博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「クイーンビートル」を運航していた問題で、海上運送法に基づく安全確保命令に対する改善報告書を発表した。

 記者会見した古宮洋二社長は「常に安全意識を高め、定められたことを守っていくことが安全への近道だ」と述べた。

 改善報告書は子会社のJR九州高速船(福岡市)が国土交通省に提出。社長が出席し安全推進会議を毎月開くなど安全意識の醸成と安全管理体制の強化を図る方針を示した。JR九州による監視も強める。JR九州高速船は昨年7月にも改善報告書を提出しており、その実行状況も分析。更迭された当時の社長が浸水発生を把握しながら国交省などに報告しなかったとして「経営トップの抜本的な意識改革は果たされなかった」と指摘した。