シティで9シーズン目を迎えているペップ photo/Getty Images

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24-25シーズンのプレミアリーグ第8節終了時点で未だに負けがないマンチェスター・シティ。ロドリ、ケビン・デ・ブライネと主力の離脱が続いているが、1-2の逆転勝利を飾った直近のウルブズ戦のようにしぶとく勝ちを積み上げている。

しかし、結果とは裏腹に内容は綱渡りが続いている状態だ。今季はすでに8試合で9失点しており、プレミアでは半分の4試合で先制を許している。そこから逆転する勝負強さは持っているものの、いつまでもこの逆転劇を演じられるわけではない。

失点増加の原因は中盤の強度不足とリコ・ルイスの可変のデメリットの2つが挙げられる。

中盤の強度不足は選手の高齢化とロドリの不在が要因だろう。ウルブズ戦はマテオ・コバチッチ、イルカイ・ギュンドアン、ベルナルド・シウバの3人が中盤を務めたが、ギュンドアンとコバチッチの2人は30歳を超えている。特にギュンドアンは復帰前よりも強度が落ちてしまっているのか、ボールロストも目立っている。

ルイスは今季からカイル・ウォーカーに代わって右SBを任されており、ボール保持時は中盤にポジションを取って相手を押し込めばギュンドアンと並んでライン間を取る。この攻めの意識が守備ではデメリットとして顕著に表れており、それほど守備が得意ではないルイスの弱みが露呈してしまっている。ここまで失点が多いとルイスではなく守備に強みを持つウォーカーが起用されそうだが、ロドリ不在が影響しているのか、現状ではビルドアップを助けられるルイスが重宝されている。

今季のシティは守備面だけでなく、攻撃面でも脆さを抱えている。リーグ戦では現時点で19ゴールを奪っているが、そのほとんどがアーリング・ハーランドによって決められたものだ。しかし、そのハーランドは9月のアーセナル戦以降得点を奪えておらず、ウルブズ戦でもノーゴールに終わっている。

これは彼の決定力不足うんぬんという話ではなく、シンプルにノルウェー代表FWにボールを届けられていないからだ。相手の5バック攻略に苦戦しており、ロドリ、デ・ブライネと個人で打開できる選手の不在は想像よりも影響が大きい。

ウルブズ戦で期待できる攻撃が繰り出されていたのは、ジャック・グリーリッシュとフィル・フォーデンが投入された終盤だった。グリーリッシュがドリブルで相手を引き付け、空いたポケットをフォーデンが取る。昨季のプレミアMVPが中央に配置されてからシティの攻撃のギアが上がった。しかし、今季はそのフォーデンの出場機会が思うように伸びていない。シーズン開幕前に怪我をしていたようで、コンディションの管理で苦戦しているのかもしれない。

ポジティブな話題としては、ウルブズ戦ではネイサン・アケがメンバー入りを果たした。
代表戦で負傷し、9月からメンバー外が続いていたが、左SBとCBを任せられるレフティが戻ってきた。グヴァルディオルが出ずっぱりの状態となっていたが、これでクロアチア代表DFを休ませることができる。

前線ではプレシーズンに負傷したオスカー・ボブのリハビリが順調に進んでいると『Manchester Evening News』が報じている。彼が戻ればサビーニョを先発にして終盤にボブを投入し、攻撃のギアを変えることができる。もちろん逆もまた然りだ。