あなたはどっち?シャンプーの詰め替え時にボトルは“洗う派”or継ぎ足す“秘伝のタレ派”…花王に適切な方法を聞いた

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シャンプーやボディーソープなどの洗剤には、ボトルに詰め替えて使う製品もある。ボトルごとに買い直すよりも経済的だが、衛生面ではどうなのだろうか。

SNSではたびたび、洗剤を詰め替える時に「ボトルを水洗いし、乾燥してから詰め替える」か「秘伝のタレのようにそのまま継ぎ足す」かで、議論も起きている。

前者を“洗う派”、後者を“秘伝のタレ派”とすると、SNSの反応は秘伝のタレ派がやや優勢といった印象だ。しかし「定期的にボトルは捨てて新しくしています」「頃合いを見計らって洗浄する事も意識してます」といった声もあった。

浴室はシャワーや湯船の湿気がたまりやすく、ボトルにカビが生えてしまうこともある。洗ってから詰め替える、秘伝のタレ形式で詰め替えるのとでは、どんな違いがあるのだろうか。

また、ハンドソープや食器用洗剤にも詰め替え製品があり、こちらの扱いも気になるところだ。シャンプーや洗剤など数多くの製品を取り扱う、花王株式会社の担当者に話を聞いた。

花王の推奨は“洗う派”その理由は

「シャンプーやボディーソープのボトルは、洗って乾かしてから詰め替えていただくことをお勧めします」

花王が推奨するのは、“洗う派”の方法だった。

担当者によると、ボトルタイプの容器を洗わずに洗剤を継ぎ足すと、他の商品や水分が混ざってしまうことがある。そうすると、商品の品質や性能が低下する可能性があるという。
詰め替えるときは、製品の注意事項をよく確認してほしいそうだ。

実際、花王が販売するシャンプーの詰め替え製品の裏側には、「つめかえ前にボトルの中とポンプ部分をよく洗い、水気を切ってからつめかえてください」と記載されていた。

では、どうやって詰め替えるといいのか。
洗剤の品質を考えるのであれば「製品を使い切ってから詰め替えること」「ボトルを流水で洗うこと」「軽く振るなどして水気を切り、乾燥させること」がポイントだという。

「他の製品(洗剤)と混ざらないようにしてください。詰め替え前にはボトルの中とポンプ部分を水道水でよく洗い、水気がなくなってから詰め替えてください」

デザインが気に入っていたりすると、別製品のボトルにも詰め替えたくなるが、どの製品も中身の特性や用途に合わせ、最適な容器を選んでいるので、あまりお勧めできないそうだ。

「別の容器に詰め替えると誤用の原因になったり、品質が変わる可能性があります。ポンプやスプレー容器では、中身が垂れたり、思わぬ方向に中身が飛び散ることがあります」

ボトルを浴室に置く場合の注意点

もし、洗剤が残ったボトルに水分が入るとどうなるのか。花王によると、ボトルに水が入った状態で放置したり、水で薄めた状態で放置した洗剤を使ったりするのは、品質の観点からお勧めはできない。

花王の製品は防腐性を考慮しているため、通常の環境で使う分には雑菌の繁殖は心配しなくていいとのことだった。

シャンプーやボディーソープなど、浴室での使用が想定されている商品は、浴室に置いて問題ないという。ただし「シャワーが直接かかる場所でお使いになると、使用中のボトルに外から水分が入る場合があります。なるべく水分がかからないところで保管されるようにお願いします」とのことだ。

ボトルタイプの洗剤にはハンドソープや食器用洗剤もあるが、基本的な考え方は同じだ。

「花王では『そのまま継ぎ足す』ことは一部例外を除きお勧めしておりません。詰め替えは使い切ってから行い、他の製品と混ざらないようにしてください」

泡が出るタイプのポンプ容器は、以下の流れで詰め替えると良いそうだ。

1.ポンプを外し、ボトルを水道水で洗い水気を切る
2.ポンプ全体を水道水で洗う
3.ポンプをさかさまにして、ヘッドを押し、内部の液を全部出し切る
4.同じ製品の詰め替え用洗剤をボトルに入れる
5.ポンプの水気を切ってセット。ポンプを数回押す

詰め替え用製品には、複数回分を補充できる大容量の製品もあるが、ここでは注意点も。

ボトル内の液量が多くなるとポンプ部分に空気を十分に取り込めず、洗剤が泡で出なくなることがあるという。ボトルには、補充量の目安が記載されていることが多いので、そこまでを上限に補充してほしいとのこと。

ボトルは“数回詰め替え”で交換を

洗剤をボトルに詰め替えて使うと、ボトル本体を買い替えるタイミングがわからなくなるもの。この悩みについて、花王に聞くと、ボトルの扱い方や浴室の環境も影響するので“何回使用したら”と断言するのは難しいとのこと。

ただ、衛生的に使いたいなら、「数回詰め替えたら買い替え」をお勧めするとのことだ。

また、詰め替えするのが面倒だと感じることもあるかもしれない。
そんな人には、詰め替えパックを取り付けてそのまま使用できる「スマートホルダー」や、詰め替えパックを差し込み、つり下げて使用できる「らくらくスイッチ」という同社のアイテムの提案があった。どちらもボトルに詰め替える作業が不要で、衛生的でもあるだろう。

衛生面と品質を考えると、ボトルは洗って乾燥してから詰め替えることが推奨されているようだ。パッケージの注意事項をよく確認し、詰め替えを活用してみるといいかもしれない。