北朝鮮が平壌上空に侵入したと主張する無人機について、北朝鮮国防省は18日、墜落した残骸を発見し、韓国軍の偵察用の無人機と同機種と判断した、と発表した。

 朝鮮中央通信が19日報じた。「(北朝鮮への)侵犯行為を再び発見すれば即時の報復攻撃を加える」と牽制(けんせい)している。

 同通信は発見時に撮影されたとする写真を配信。木にひっかかっており、平壌を集中的に捜索して13日に発見したとしている。鑑定の結果、韓国軍が今月1日の軍事パレードで公開した、「遠距離偵察用小型ドローン」と同機種だと主張した。北朝鮮国防省報道官は「重大な主権侵害が決定的物証で確認された」と強調した。

 北朝鮮は今月に3回、韓国が平壌上空に無人機を侵入させ、体制批判のビラをまいたと主張。一方、韓国側は直後に軍関係者が「軍は無人機を送ったことはない」としたが、公式には事実関係についての確認には応じていない。韓国軍は19日にも「北朝鮮の一方的な主張に対しては確認する価値もない」と一蹴した。

 北朝鮮は再び無人機が侵入する可能性が高いとして、13日から南北の軍事境界線付近の砲兵旅団が射撃待機態勢に入っている。一方で韓国の専門家からは、今回の北朝鮮の発表は再発防止に重きを置いており、緊張を過度に高める意思はないとの見方も出ている。(ソウル=太田成美)