情報BOX:ウクライナ 「勝利計画」の重要ポイント NATO招待や防衛力強化

写真拡大

Max Hunder

[キーウ 16日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は16日の議会演説で、対ロシア戦争の「勝利計画」を初めて公表した。2025年中の戦争終結を目指すとしているこの計画の主なポイントは以下の5つ。別の3項目については非公表としている。

◎NATOへの招待

ゼレンスキー氏は、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナを無条件で加盟交渉に招待する必要があると訴えた。

「NATO加盟は今すぐではなく将来の事案だと理解している。しかし(ロシア大統領の)プーチン氏に、地政学的計算の上から敗北に向かうという光景を見せられる」と述べた。

◎ウクライナの防衛力強化

ゼレンスキー氏は、ウクライナの防衛力を「不可逆的に強化」する必要があると主張し、幾つかの具体策を提示。一層の軍備拡充や、防衛産業の基盤強化、防空能力向上、武器使用制限の撤廃、ロシア領内での軍事作戦継続などを挙げた。

◎対ロシア抑止

ゼレンスキー氏によると、西側同盟国はロシアに新たな侵略は重大な結果をもたらすと分からせることで、さらなる侵略を抑止しなければならない。

「ウクライナは自国内に包括的な非核の戦略的抑止パッケージを整備し、これがロシアの軍事的脅威からウクライナを十分に守ってくれるだろう」と述べた。

抑止に必要な兵器の種類や数量などを記した秘密の付属文書の存在も明かしたが、詳細には言及していない。

◎資源開発協力

ゼレンスキー氏は、米国や欧州、その他同盟諸国とウクライナの天然資源開発・利用向けた共同投資の取り決めを結ぶことを提案した。総額は数兆ドル規模に上るという。

「この中には特にウラン、チタン、リチウム、黒鉛などの戦略的価値を持つ資源類が含まれる」と語った。

◎NATO強化への貢献

ゼレンスキー氏は、戦争終結後にウクライナ軍をNATOの安全保障強化に活用することを提案した。現在欧州に駐留する米軍部隊の一部の負担を肩代わりする。