帰国を前に青柳(左)と笑顔を見せるビーズリー(球団提供)

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 阪神・青柳晃洋投手(30)が16日、トレーニングのために甲子園球場を訪れ、藤川球児新監督(44)の就任会見での発言に発奮した。藤川新監督はチーム強化について「力がなくてベテランというのは必要ない」と指摘。第2次岡田政権下の2年間は思うような成績が残せなかったとあって、現役時代から金言を授かってきた新指揮官のもとでの巻き返しを誓った。

 新指揮官が示した、火の玉ストレートのような厳しくもまっすぐな思いが胸に響いた。就任会見をネットニュースなどでチェックしたという青柳。「『実力ないベテランはいらない』と書いてあったので、そこが現実的かな」と身に染みた発言に、自ら言及した。

 「期待に応えられなかったら使わないよ、ベテランだからって優遇はないよ、と僕は受け止めたので」。藤川新監督の言葉に襟を正した上で、「心機一転じゃないですが、僕自身の話で言えば結果が出なかった2年なので、それを払拭するような活躍が必要になってくる」と覚悟を決めた。エースの活躍が期待された昨季は8勝6敗、今季は開幕投手を任されながらも2勝3敗。3年連続での“失敗”は許されないと肝に銘じる。

 藤川新監督の現役時代、阪神に復帰した16年が自身は入団1年目。引退までの5年間、「プレーヤーとしての球児さんには、よくしてもらいました」と多くを学ばせてもらった。「技術的なことはもちろんですけど、考え方がすごい方。バッターに対する考え方だったり、試合の流れの読み方だったり」と敬意を払って述懐した。

 ただ、立場が変わったことで、「僕たちが『球児さん、球児さん』と言っちゃうと、他の選手もそうなっちゃうかもしれないので」と距離感への配慮も忘れない。「しっかり会話できる方だと思うので。交代のタイミングとか納得いかない部分が出てくると思いますが、しっかり会話していければ」。将とのコミュニケーションで改めて心を通わせて、活力へと変えていくつもりだ。

 この日は甲子園でのトレーニングの後、関西国際空港へ出向いて、帰国するビーズリーを見送った。「本当にいい選手で、良き友達になれた」と共闘継続を熱望。“先発投手の絆”を感じさせた。来季は手放してしまったローテーションを必ず取り戻して、藤川阪神の欠かせない戦力となる。