スペインの国旗[Pixabay]

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各種幻覚・覚せい剤成分を混ぜて作ったピンク色の合成薬物類が中南米を越えて最近スペインの休養地と英国など欧州で流行していることが分かった。

15日(現地時間)、英BBCスペイン語版(BBC Mundo)によると、スペイン当局は今月初め、大規模な薬物取り締まりを行い、100万個以上のエクスタシー錠剤とともに大量の「ピンクコカイン」を押収した。

今回の作戦は、スペインのイビサ島やマラガなどの休養地を中心に活動する薬物密売ネットワークの摘発が目的だった。これに対し、地元の薬物被害防止社会団体は、ピンクコカインの流行を警告したとBBC Mundoは伝えた。また、流行を防ぐための迅速な措置が急がれると強調した。

ピンクコカインは、ピンク色の食用色素で着色し、視覚的な効果を高めた合成麻薬類だ。イチゴ香料で味付けすることもある。コカインという名前が付けられたが、実際にはエクスタシー(MDMA)、ケタミン、2C−Bなど麻薬類を混ぜて作るという。「トゥシ」(麻薬成分「2C」の発音と類似)や「ヴィーナス」のような名前で呼ばれることもある。

当局は、ピンクコカインは混合された物質の種類と量がそれぞれであるため、服用する場合、致命的になる可能性があると警告している。

ピンクコカインは中南米クラブで主に発見されたが、現在はスペインと英国などでも摘発事例が増加傾向にあるとBBC Mundoは分析した。一部は米ニューヨークでも密売されていることが分かった。

実際、2020年を前後にチリやコロンビア、ウルグアイなどでこの薬物が密かに密売され、当局によって数回押収され、ピンクコカインの乱用による死亡事例も少なくないという報告があった。

BBC Mundoは「専門家は予測できないピンクコカインの危険性をロシアンルーレットに喩えたりもする」とし「この薬物はスペインで1グラム当たり約100ドル(約1万5000円)で販売されているが、見栄えの良い色で人を惑わして変化に富んだ不法薬物の世界をはっきりと見せている」と分析した。