キャッチコピーは「再会した初恋の人は、車イスに乗っていた―」。そう書かれた映画公開当初のポスターには、青空の下で笑顔がまぶしいカップルが写っている。岩田剛典が初恋の相手、杉咲花がヒロインを演じた映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」(2018年公開)が、11月7日(木)に日本映画専門チャンネルで放送される。ポスターの通り、ひたむきに互いを思い合う2人を描いた物語。そのピュアさと真っ直ぐさが見る者の心を揺さぶる感動の純愛ストーリーだ。

青空の下、樹(岩田剛典)の車イスを押すつぐみ(杉咲花)

インテリアコーディネーターの川奈つぐみ(杉咲花)は、仕事の飲み会で高校時代に恋焦がれていた先輩・鮎川樹(岩田剛典)と久しぶりの再会を果たした。バスケ部のエースでみんなのあこがれだった樹、再会した彼は当時夢だと語っていた建築士となり、相変わらずの爽やかな笑顔を見せていた。

1つ変わったところといえば、車イスに乗っていたこと。大学時代の事故が原因で足が不自由になったと語る樹に、最初は戸惑っていたつぐみも次第に甘酸っぱい初恋の思い出がよみがえってくる。そして仕事を通して仲を深めていくうちに、前向きで頑張り過ぎだと心配になるほど一生懸命な彼にどんどん惹かれていく。恋心を募らせるつぐみだったが、ある日、樹から「一生1人で生きていくと決めている」と突き放されてしまう。だがそれは"ハンデがある自分といても幸せになれない"という樹の優しさであり、その気持ちを悟ったつぐみはさらに大きな優しさで樹を包み込むのだった。2人はピンチのときには助け合う、最強のパートナーとなっていくかに見えたが、その後いくつもの高いハードルが行く手を阻むのだった。



甘いマスクで女性ファンを虜にしてきた岩田が、少女漫画から飛び出してきたかのようなキラッキラのスマイルで、ザ・王道の"初恋の先輩"を演じている。優し過ぎるがゆえにすれ違う、ヤキモキする展開もまたラブストーリーの王道である。だが物語が進むにつれ、恋だけではない人間愛のような深みが増していくのを感じた。それは頑なだった樹の心を溶かしていく、つぐみの強さが伝わってきたから。映画「市子」で第47回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞し、今年放送されたドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」でもその演技力が高い評価を得た杉咲。彼女の澄んだ瞳が、芯の強さが、つぐみそのものだった。岩田も杉咲も真っ直ぐな役どころにぴったり、ハンカチ必須の良作だ。

文=石塚ともか

放送情報【スカパー!】

パーフェクトワールド 君といる奇跡
放送日時:11月7日(木)11:10〜ほか
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

最新の放送情報はスカパー!公式サイトへ