ひと昔前まで、反社会的勢力を想起させ、威圧感があるという理由からも敬遠されてきたタトゥー。

現代では、ファッションとして認識されつつあるが、いまだにプールや温泉など、入場NGとされる施設は多い。

だが、若者にも人気のアーティストたちが次々と目立つタトゥーを入れて、物議をかもしている。

「“ギャップ” という意味では、元King & Princeの岩橋玄樹さんは、両腕にがっつりとタトゥーを入れており、話題になりましたね。King & Princeはグループ名のとおり、アイドルのなかでも “王子様” 路線でしたから、やめた岩橋さんがまさかタトゥーを入れるとは、ファンも思わなかったでしょう」(芸能記者)

 今や国民的音楽ユニット・YOASOBIもタトゥーが話題だ。

YOASOBIは、コンポーザーのAyaseさんと、ボーカルikuraこと幾田りらさんによるユニットです。10月1日に結成5周年を迎えた2人ですが、そこでAYASEさんがXにアップしたシャンパングラスで乾杯する写真が注目を集めました。

 Ayaseさんは前腕や指にまでタトゥーを入れており、それがむき出しになったんです。大ヒットアニメ『推しの子』第1期のオープニングテーマ『アイドル』で一気にファミリー層にまでファンを広げた2人なので、こうしたタトゥーがファン離れにつながる可能性を指摘する声があがったのです。

 ほかにも『ドライフラー』で知られる歌手の優里さんや、MY FIRST STORYのHiroさん、ONE OK ROCKのTakaさん、EXILEのTAKAHIROさんなど、大人気アーティストがタトゥーを入れています」(同)

 では実際、アーティストのタトゥーに対し、ファンは何を思うのか。本誌は全国の20〜50代の女性500人に「好きな芸能人の体からタトゥーが見えることは容認できますか?」という質問を理由とともに尋ねる調査をおこなった。

 その結果、「がっかりする」「嫌いになる」を選んだ人は304票をだった。

「体を傷つける行為をしていることにがっかりするから」(20代・会社員・神奈川県)

「若いときはいいけど、年取ったらどうなるんだろうとは思う」(50代・主婦・東京都)

「プールや温泉に入れなくなり、それに関連するロケに参加できないのが残念だから」(30代・会社員・京都府)

「タレントのイメージと合ってない」(40代・主婦・秋田県)

反社会的勢力、暴力性を想起させる」(20代・学生・山梨県)

 一方、「容認できる」と答えた人は196人。その回答からは、20代を中心にタトゥーが “ファッション” だと理解されていることがわかる。

「誠実なイメージを売りにしてる人こそ実は入れているとか、ギャップがあっていい」(20代・学生・東京都)

「多様性の時代だから」(20代・会社員・大阪府)

「個人の自由でもあり、キレイな状態なら見てもすごいとしか思わない」(30代・主婦・埼玉県)

「大きさによるけど、小さなものはファッションとして受け止めれるから」(20代・学生・北海道)

「演技の才能も計り知れないし、なにか理由があってのことだと思うから嫌いにはなりきれない」(40代・主婦・岡山県)

 こうした潮流を踏まえ、今後もタトゥーを入れる芸能人は増加すると、芸能ジャーナリストは語る。

「そもそも、CDがまったく売れなくなったいま、アーティストはSNSでバズり、ライブにファンを呼ぶことで生計を立てています。テレビの音楽番組に出演し、老若男女に愛される必要はないし、ましてや “紅白歌合戦がゴール” という時代でもなくなりました。

 ですから、スポンサーや、“タトゥー否定派” を気にする必要がないんですよ。

 ただ、今でも6割もの人が否定的なのですから、少しでも多くの人に音楽を届けたい、と考えた場合、タトゥーを入れるのがネガティブな意味合いをもつことは間違いないでしょう。

 特に注意したいのは、アーティストという職業だからこそタトゥーを自由に入れられるわけで、影響を受けた10代のファンなどが安易な気持ちでタトゥーを入れてしまうことは問題ですよね。

 少なくとも、日本ではまだまだタトゥーを入れることで将来の選択肢が狭まるのは間違いないですから」(音楽ライター)

 たかがタトゥー、されどタトゥー。