「夏休みは1ヶ月お風呂に入らない」風呂キャン界隈の大卒アイドル・鈴木Mob.(25)が明かす、お風呂に入らない驚きの理由〉から続く

「風呂キャンセル界隈(風呂やシャワーをパスすること)」の代表を自称するアイドルグループ・にっぽんワチャチャの鈴木Mob.さん(25)。

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 小学生の頃からお風呂に入るのが嫌になり、現在はライブ前以外は基本的に入らないという。そんな彼女に、なぜお風呂に入らないのか、お風呂に入らないメリット、風呂キャンセル界隈のリアルについて聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)


鈴木Mob.さん

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「入る時はしっかり入りたい」だからこその風呂キャン

――鈴木さんの中でお風呂に入らない理由は、「優越感を味わえる」と「めんどくさい」の2つでしょうか。

鈴木Mob.(以下、鈴木) 基本的にはそうですね。あとはお風呂に入らない時間を有意義に使えるところですかね。お風呂に入るってなると、ドライヤーの時間もあるので、大体1時間半かかるんです。入るとなったらきっちり洗いたいので、下手したら2時間かかる場合もあって。

 でもその時間があれば、動画編集したり、猫と触れ合ったり、SNS投稿したりできますよね。そうするとどうしてもお風呂が後回しになってしまうんです。

――お風呂に入る時はしっかり入りたいんですね。

鈴木 だからこそ風呂キャンなのかもしれないです。軽く入るっていうのができなくて。もしお風呂に入るのであれば、ちゃんとしっかり洗いたいんです。髪の毛は2回洗うし、コンディショナーもしっかりやって、体を洗ってから入浴して。入浴後は全身の保湿やストレッチ、ドライヤーもちゃんとやって。

 そのくらいめんどくさい工程を踏まないと嫌だからこそ、お風呂への足取りが余計に重くなるんです。

 あとはそもそも日本人はお風呂に入りすぎだとも思っていて。そんなに入らなくても実は大丈夫なんじゃないかと思っています。

風呂キャンのカミングアウトに「温かい声が多い」

――風呂キャンであることを公表してからどんな声がありましたか。

鈴木 ファンの方は意外と肯定的でしたね。「今日は風呂に入ったのか〜?」って聞いてくれたり、「昨日お風呂に入ったよ〜」って報告すると、「えらい! 素晴らしい!」って褒めてくれたりして。温かい声が多いです。メンバーも前から知ってくれていて、別になんとも思っていないですし。

 友達は私が風呂キャンということを知らなかったみたいで「記事読んだよ!」とは言われたけど、感想までは聞いてないですね(笑)。

 SNSでは、「私も実はお風呂入らない」ってDMをいただいたり。フェスで会った他のグループのアイドルの子が私のところに来て「実は私も風呂キャンです」って教えてくれたりして。公表していないだけで、わりと風呂キャンは多いかもなって思いましたね。

――批判的な声はありましたか。

鈴木 ありました。「きたね〜」とか「臭そう」「不潔」とか。潔癖症の方からは「信じられない」とか。でも、まあ自分の中で気をつけてはいるので。そういう声は気にしていないですね。

 それに「あなたと会ってませんし、会う予定もないですよ」って感じで。私の身近な人に注意されたら「すみません。これからは気をつけます」となりますけど、会ったこともない人に言われても、「そう思うんだ〜」くらいですね。

 父からは「お風呂に入ってないなんて人に言うことじゃないからやめて」って言われましたけど。

どうしてもお風呂に入らなければいけない場合は?

――風呂キャンであることで大変なことは?

鈴木 突然の予定です。突然当日に仕事が入った場合は、どうしよう〜ってあたふたしますね。わざと髪の毛先だけ濡らして風呂上がり感を出したり、会話の途中に「昨日お風呂に入っていたらさ〜」って先手を打って、お風呂に入っている人だと思わせます。

 これはぜひおすすめしたいんですけど、三つ編みにして帽子を被ると臭わないです。髪の毛もいい感じにまとまるし、清潔感も出ます。あと香水はつけすぎると臭くなるので、爽やかな匂いのものをワンプッシュくらいつけますね。

――ライブ前のどうしてもお風呂に入らないといけない場合はどのように自分を奮い立たせているのでしょうか。

鈴木 お風呂に入らないといけない状況を自分で作ります。例えばうちは浴室乾燥なので、洗濯機を回すとか。洗濯機を回しちゃえば、洗濯が終わる前にお風呂に入らないといけないじゃないですか。そうすれば意外と頑張れるというか。

 調子がよければ夜入れるんですが、どうしても無理な場合は朝入ります。朝は寝起きのままお風呂場に直行して、眠気と闘いながら入りますね。

 お風呂って人生の中で結構時間をとる割には進化していないですよね。お風呂に入る時間を短縮する機械とか開発されたらいいのにって毎回思います。

――お風呂以外にキャンセルしているものはありますか。

鈴木 お皿洗いですかね。洗うのが面倒くさいから、割り箸と紙皿を使っています。でもそれ以外は基本的にはキャンセルしていないですね。

 歯磨きもするし、肌が命なのでスキンケアは必ずします。部屋もすごく整頓されているわけではないですが、汚くもないので。衛生観念がないわけではないです。

「就職しないでアイドル?」と両親は大激怒

――前編で、小学生の時は「いい子でいる」ためにお風呂に入っていたと話していましたが、正式に風呂キャンになったのは何かきっかけが?

鈴木 アイドルになってから「いい子でいる」ことをやめたんです。それまでは中学受験して、中高はいい成績を取るためにたくさん勉強して。大学受験で指定校推薦を取るために学年で1番2番を取り続けなくちゃいけないっていうプレッシャーの中、学校に通っていて。ずっと親に褒められるような「いい子でいよう」と思って生きていたんです。

 大学は神戸の大学の理系学部に通っていたんですが、就職でもいいところにいかないといけないってずっと思っていて。でも、就活が始まる少し前くらいに今のリーダーから「アイドルやらへん?」って誘われたんです。もともとアニソンが好きで、アニソンも歌えるよって話があったので、二つ返事でOKして。

――就活をやめてアイドルに。

鈴木 そうです。両親は大激怒でしたけど。「就職しないでアイドル?」って。いろんな反対を押し切ってアイドルになって。でも大学だけは卒業しなければと、東京でアイドル活動をやりながら神戸まで通って、去年無事卒業しました。

 アイドルになった最初の頃は自分でもちゃんとしなきゃってずっと頑張っていたんです。アイドルってちゃんと綺麗にして、プライベートでもみんなのお手本みたいな生活をしないといけないっていう固定観念があったので。

 でもそれを察した事務所の社長から「もっと自分らしさ出していいんやで。お前にしかできないアイドルになれ」って言われて。

こういう奴もいるんだぞ、っていうのを知って欲しい

――それで「いい子でいる」ことをやめたと。

鈴木 そうですね。それで自分に正直に生きようと思って、正式に風呂キャンになったという感じです。みんなにお風呂に入っていないことを明かして、YouTubeとかインスタライブでも「今日で風呂に入らずに5日目を迎えました」とか。自分の全てを明かしました。

 それ以外にも「痔持ちアイドル」ってことも公表したり(笑)。アイドルには珍しくなんでも曝け出していると思います。

――「いい子でいる」ことをやめてから生きやすくなりましたか?

鈴木 なりましたね。私たちのグループは普通のアイドルとは違って、「アイドル界の常識をぶっ壊す」を目標にお笑い特化型アイドルとして活動しています。それぞれがそれぞれの色を出して発信しているので、本当に面白くて。アイドルという既成概念をいい意味でなくして、なんでも言ってありなところが本当に素敵だと思います。

 こういう奴もいるんだぞっていうのを真面目に生きてる人たちに知って欲しくて。私も元々真面目に生きて、自分を追い詰めていたので、そうじゃなくていいんだよと発信できる側になったのがすごく嬉しいです。お風呂くらい入らなくても死なないぞって。

 細かいところでいうと靴下も揃えないですし。両足が違う柄でも全然気にしないんですよ。靴下が揃っていたら逆にレアみたいな。自分が思うほど人は自分のことを見ていないし、少し力を抜いて生きても全然大丈夫だと思っていて。そういう生き方ができる人が増えたらなと思いますね。

目標は「2025年の単独ライブで日本武道館を埋めること」

――最後に鈴木さんの今後の目標はなんでしょうか。

鈴木 プライベートなことで言えば、お風呂にもう少し入れるようになりたいです。お風呂に入らなくても生きていけるなら一生入りたくないですが、そうはいかないので、もう少しお風呂に入る回数を増やせたらと思いますね。

 アイドル活動で言えば、2025年に日本武道館での単独ライブが決まっているので、日本武道館を埋めることが第1です。8000人を埋めたくて頑張っています。私たちのライブは本当に個性が強く面白くて。武道館でも来てくれた人を後悔させないようにいろいろと楽しいコンテンツを考えていますね。

 個人としてはやっぱりアニメが好きなので、アニオタとしてテレビとかでアニメを語るタレント活動をしたいと思っています。そのためにもっともっとオタクをきわめていきたいですね。もちろんテレビに出る時はお風呂に入っていきますので!

写真=志水隆/文藝春秋

(「文春オンライン」編集部)