18番でアプローチショットを放つ稲森佑貴(撮影・持木克友)

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 「男子ゴルフ・日本オープン選手権・第3日」(12日、東京GC=パー70)

 大会2勝の稲森佑貴(30)=国際スポーツ振興協会=が2バーディー、3ボギーの71とスコアを落としながらも、今平周吾と並ぶ通算2アンダーで、3日連続の3位をキープ。絶好の位置で最終日に臨み、史上6人目の日本オープン3勝目、30歳11日での最年少記録を狙う。通算3アンダーの首位に木下稜介と池村寛世。首位から出た中島啓太は73で回り、首位と2打差の5位に後退した。

 一打のミスが命取りになる我慢比べで“日本オープン男”が気張った。大会2勝の稲森が、気の抜けない18ホールを71でまとめて3日連続の3位をキープ。疲れた表情で取材エリアに現れると、息を吐きながら一日を振り返った。

 「ずーっと気を張っているんで、やっぱり後半の中盤くらいから頭がおかしくなってくるんですよね(苦笑)」

 上位5人にアンダーパーがいない3日目。厳しいピン位置に誰もが苦しいゴルフを強いられる。フェアウエーキープ率8季連続1位の“日本一曲がらない男”でも、2打目以降は長い番手を持たざるを得ないだけに、例外ではない。「ピンを狙っていくと、ドつぼにはまる」と冷静に、慎重に1打目から組み立てた。

 序盤にボギーが先行したが、4、7番と好感触のバーディーパットで取り返した。疲労と暖かい日差しで眠気も襲う中、必死に目をこすりながら後半も粘った。逆光で距離感を失い、ミスショットが出た17番、パーオンできなかった18番もセーブ。最後まで集中力を発揮し「体力より気力の消耗が激しい」と話した。

 勝てばレジェンドたちと名前が並ぶ。尾崎将司、中嶋常幸ら過去5人が達成した日本オープン3勝を30歳11日で達成すれば、史上最年少。偉業に挑む最終日も「やることは変わらない」とタフな戦いを耐え抜くだけだ。