ヒマラヤ山脈で立ち往生した女性登山家2人が、3日後に無事に救助された/Fay Manners

(CNN)インド北部のヒマラヤ山脈で立ち往生した女性登山家2人が、3日後に奇跡的に救助された。

フランス在住の英国人フェイ・マナーズさんと米国人のミシェル・ドボラクさんは、標高7000メートル近いチャウカンバ3峰の初登頂を目指し、先月27日に出発した。

山のふもとまでのルートも深いクレバス(割れ目)が続く難関だったため、3度目の挑戦でようやくたどり着いた。

標高6000メートルまで登ったところで、マナーズさんのザックにつながっていたロープが落石で切断された。ザックにはテント、ストーブ、食料、靴底用の爪やピッケルなどの必需品が入っていた。

あと1日で登頂を果たせそうなところで「夢が山を転がり落ちていった」と、マナーズさんは振り返る。

装備なしで引き返すのは不可能に近かった。緊急救助を要請したが、派遣されたヘリコプターは翌朝も、さらに次の日も、2人を発見できなかった。

手元に残っていたのはエナジーバー2本だけ。雪を融かすためのストーブがなくなって、飲料水もつくれない。

さらに吹雪やひょう、雪崩が発生し、夜間の気温はマイナス15度まで下がった。濡れた寝袋の中で一晩中、激しいふるえに襲われた。朝を迎えた2人は深い霧の中、危険を承知で下山を始めた。

ふもとで遭遇したのは、同じ峰の登頂を競っていたフランスのチームだった。当局から連絡を受け、2人の救助を依頼されたという。

2人はチームに助けられてフランスのベースキャンプまで歩き、6日にインド空軍機で近くの病院へ運ばれた。立ち往生してから3日後のことだった。

2人にけがはなかった。マナーズさんは、救助してくれたチームとともに来年、登頂に再挑戦したいと話している。