[10.1 ACLEリーグステージ第2節 川崎F 0-1 光州 U等々力]

 国際大会初出場ながら、Jリーグ勢から二度白星を奪った。開幕2連勝の光州FC(韓国)は東地区で暫定首位。イ・ジョンヒョ監督は「過程が大事。次の試合に向けて、われわれは前を向いている」と冷静に勝利の喜びを噛み締めていた。

 2010年に誕生した光州FCの快進撃が続いている。ACLE初戦で横浜F・マリノスを7-3で撃破。川崎Fの本拠地で行った第2節でも序盤からペースを握ると、PKですばやく先制する。残り時間を逃げ切り、近年のJリーグをけん引してきた2クラブから白星を奪った。

 川崎Fのハイプレスに対して、イ・ジョンヒョ監督は「シンプルにスペースをどのように使うかを準備してきた」と明かす。「誰がそのスペースを使うか、どのように使うかが大事」。指揮官に就任してからの積み重ねに自信がのぞく。「ヘッドコーチをやって3年間、ミーティングでやりたいことを伝えてきた。そのプロセスがあるからこそ自信がある」と力を込めた。

 光州FCは川崎Fにリスペクトを示した。キャプテンのDFイ・ミンギは試合後、川崎Fのサポーターに手を振った。

「試合中からスタジアムの雰囲気に感動していた。試合後に感謝を伝えたくなった。試合後には((川崎Fの)ファンの方々がわれわれに拍手をしてくれて、それにもすごく感動した。韓国でも見たことがないわけではないが珍しいこと。川崎Fのファンの方に対して、リスペクトを持って感謝を伝えたかった」

 イ・ジョンヒョ監督は、川崎Fの選手たちが試合後に光州FCサポーターのもとに来たことに驚きを語る。「いままで見たことがないし、こういったカルチャーはすばらしいものだと感じている」。快進撃を続けながら、初の国際大会で新鮮さを味わっているようだ。

(取材・文 石川祐介)