「ワニワニパニック」生みの親が死去 元社長・石川祝男氏、69歳 「スリッパと段ボールで試作品を…」

　バンダイナムコホールディングスは24日、「ワニワニパニック」などを生み出した、元株式会社バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長の石川祝男（いしかわ・しゅくお）氏が9月9日に死去したと発表した。享年69。

　公式サイトで「元株式会社バンダイナムコホールディングス代表取締役社長および元株式会社バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長石川祝男が去る2024年9月9日に逝去いたしました（享年69歳）」と発表。

　「ここに生前のご厚誼に感謝いたしますとともに謹んでお知らせ申し上げます。通夜および告別式は近親者にて執り行われ、訃報のご連絡も法要後とさせていただきました。また、ご遺族の強い意向により、ご供花、ご供物、ご香典、ご用電、ご用問等は固くご辞退させていただきます。何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。なお、日を改めて故人を偲ぶお別れの会を執り行う予定です」とした。

　石川氏は1978年に関大卒業後、株式会社ナムコに入社。業務用ゲーム機部門所属時に企画・開発した「ワニワニパニック」（1989年稼働開始）は、現在まで続くロングセラー商品として愛されている。

　「ワニワニパニック」企画立案当初はなかなか承認が降りず、スリッパと段ボールを使用して試作品を作りプレゼンテーションを行い製品化することができたという逸話も残っている。

　また、2010年3月期に多額の損失を計上し当期利益が赤字となる中で社長に就任。スピードあるグループへの変革を指した「リスタートプラン」を推進し、グループの中核である「IP軸戦略」を掲げて業績回復させた。

　立て直しと同時に、現場への権限委譲に加え、社員に対しては、もっと良い意味で暴れてほしいという思いから「元気よく暴走しよう！」とメッセージを発信。社員の挑戦やアイデア実現を後押しした。