2打数2安打の仙台一・千葉(カメラ・秋元 萌佳)

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◆高校野球◇宮城県秋季大会 ▽1回戦 仙台三1−3仙台一(19日・石巻市民)

 県大会が開幕して1回戦5試合が行われた。仙台一は同じ中部地区の仙台三に3―1で粘り勝ち。千葉厚監督の次男・千葉悠成左翼手(1年)が先制点の足がかりをつくるなど2打数2安打の活躍で、ナンバースクール対決を制した。

 仙台一にとっては、中部地区予選の代表決定戦は仙台二(2〇1)と、そして県大会初戦は仙台三と、ナンバースクール同士の対戦が続いた秋。接戦を制し、千葉監督は「これも運命なのかなと思いますね。選手たちが勝負強く、よく頑張ってくれました」と振り返った。

 両軍エースの好投が続く中で先制点をもぎ取ったのは仙台一だった。0―0の5回に先頭で7番・千葉が内野安打で出塁したのを口火に、四球などで2死一、二塁と好機を広げると2番・根森琥太郎二塁手(2年)が中前適時打を放って先制。7回にも2点を追加すると、先発したエース・及川啓史郎(2年)が8回を1安打1失点に抑えるなど3投手の継投で逃げ切った。2安打2四球と全4打席出塁の千葉は「思い切りのいいプレーができた」と笑顔を見せた。

 千葉監督の次男で、兄・綾太(3年)は夏までエースを務めた。今春センバツでは21世紀枠候補に選ばれたが落選。夏は3回戦で敗れ、兄の甲子園の夢はかなわなかった。スタンドで応援した千葉は「2人が悔しい結果に終わる姿を見てきた」と語る。思いを継いでスタートした秋。次戦は強豪・東北と対戦だ。父も「強心臓で、チームを引っ張ってくれる」と評価する背番号7は「ムードメーカーとして頑張りたい」と誓った。

(秋元 萌佳)

 ○…石巻西は古川に6−2。5番・加藤直也一塁手(2年)がランニング満塁本塁打で試合を決めた。2―1の5回1死二、三塁で前の打者が申告敬遠されて満塁となり「悔しかったので絶対に打ちたかった」。強振した真ん中のスライダーが中堅手の頭を越えると「迷いはなかった」と一気に本塁を狙って全力疾走。公式戦初本塁打に「予選では調子が悪かった分吹っ切れた感じ。一安心です」と笑みがこぼれた。

 ○…石巻工は多賀城に9−3。14安打9得点の猛攻で初戦を突破した。4番・岩槻遼大右翼手(2年)は「取れるときにしっかり点を取ろうと思って甘い球を狙っていきました」と先制の2点適時二塁打を含む3安打3打点の活躍。「皆で振り込んできた成果が出た」と語り、「目標の東北大会出場までチャレンジャー精神で頑張りたい」と意気込んだ。