レバノン各地の携帯通信機の一斉爆発、2日間で死者32人、負傷者3200人超…無線機には「日本製」ラベル
【エルサレム=田尾茂樹】レバノン各地で18日、イスラム教シーア派組織ヒズボラメンバーらが使う携帯型無線機が爆発し、保健省によると、20人が死亡、450人以上が負傷した。
17日には各地でヒズボラのポケットベル型通信機器が一斉に爆発しており、2日間で死者は32人、負傷者は3200人超となった。
ヒズボラはイスラエルによる攻撃と断定して報復を示唆しているが、イスラエルは関与の有無について明らかにしていない。
18日の爆発は17日と同じく首都ベイルートのほか、ヒズボラの拠点があるレバノン南部や東部で起きた。ベイルートでは17日に死亡したヒズボラメンバーの葬儀の最中に爆発があった。
ロイター通信が伝えた治安筋の話によると、18日に爆発した無線機は、17日に被害を受けたポケベル型の通信機器と同様に5か月程度前に導入されていた。無線機には日本製のラベルが貼られていたという。
こうした中、イスラエルは戦闘の重点を、イスラム主義組織ハマスと戦っているパレスチナ自治区ガザから、ヒズボラとの衝突が続くイスラエル北部へと移す姿勢を強めている。
ヨアブ・ガラント国防相は18日に訪れた北部の空軍基地で、「戦争は新たな段階に入った。重心は北に向かって動いている」と述べた。ベンヤミン・ネタニヤフ首相も18日の声明で「北部の住民を確実に帰還させる」と強調した。