「俺は知事や!」齋藤元彦が「維新」を崩壊させた…維新国会議員の嘆きがヤバすぎる《元上司もビビった男》

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次から次に難題が

「維新はついに終わりそうです。この大嵐で沈没です」

沈痛な表情で語るのは、日本維新の会に所属する国会議員のひとりだ。

兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ、おねだりの公益通報問題だけではない。2025年4月に控える、大阪万博の工事の遅れやガス爆発。予定されるカジノを含む統合型リゾート(IR)の不評……。次々と、難題が浮上する維新の支持が急降下している。

9月19日、兵庫県知事では全議員・全会派が齋藤知事に不信任決議案を共同提出する。なぜここまでの時間がかかったのか。齋藤氏の「生みの親」ともいえる大阪府の吉村洋文知事は、齋藤氏に引導を渡そうとしてきた。

「百条委員会の斎藤知事の説明は、兵庫県民から理解を得られるもんじゃなかった。日本維新の会として斎藤知事に辞職を要請する」

「土曜日(9月7日)電話で(斎藤知事と)話をした。同じ知事ですから、職員がいるなかで、すべての予算権、人事権を持った知事が、物を投げるという行為、机を叩いたりという行為はやってはいけない。僕がやったらパワハラ」

「兵庫県の県政が結果として進んでいない。間違っているところは間違っていると素直に認めて謝って、さらに前に進めるなら知事を辞職して県民の皆さんに問うべきじゃないかと話した」

さらに吉村知事は不信任案直前の17日に

「僕の考えは伝えた。、斎藤知事の判断だと思います」と話した。

9月11日の吉村知事の会見を受け、メディアの前に姿を見せた斎藤知事はこう語った。

「私として政治家、やって3年、経験はないが政治家同士の話し合い、詳細なやりとり、私から言うのは差し控える」

辞職については、

「申し出は重く受け止める。私は3年前、(選挙で)付託を受けた。自分がどういう道を進んでいくか、自分で決めていく」

として生みの親、吉村知事の説得も受け入れない姿勢を示した。

県職員が明かす「ビュッフェ事件」

2021年7月の兵庫県知事選で、自民党と維新の推薦を得て当選した斎藤知事。自民党の一部は、井戸敏三前知事のもとで副知事を務めた金沢和夫氏を応援し、保守分裂選挙となった。

維新の兵庫県議のひとりはこう語る。

「知名度がゼロの斎藤知事が当選できたのは、自民党から提供された5000万円近い選挙資金に加え、吉村知事が何度も応援に入ったからです。恩人である吉村知事が説得すれば自ら辞めると思っていたのですが、それでも粘る斎藤知事に引導を渡せる人はもういませんでした」

それほど、斎藤知事にとって吉村知事の存在は大きいものだった。9月6日の百条委員会では斎藤知事が吉村知事をいかに慕っているを物語る質問が出た。

2023年7月、全国知事会議が山梨県で開催された。当初、斎藤知事は宿泊するホテルではない場所で、夕食を取る予定だった。しかし、大阪の吉村知事がホテルで夕食をとると聞きつけると「俺もホテルで夕食をとる」と言い出したという。だが、事前の予約がないととれないと説明されると、車のシートを蹴って「俺は知事やぞ」とものすごい剣幕で同行していた県職員を恫喝した……百条委員会で明らかにされた事実だ。

「車のシートは蹴っていない」

「俺は知事やぞと激怒することはない」

と斎藤知事は否定している。だが「現代ビジネス」は、その模様を知る県職員から話を聞くことができた。

「あれはビュッフェ事件と呼ばれています。斎藤知事のパワハラ、わがままを象徴する出来事です。

事前の予約がないとホテルで食事はとれないと断られたことを伝えると『俺は知事やぞ』と激怒。同行の県職員ではなく、県幹部にまで連絡して、ホテルで食事をとれるようにしろと言い始めた。最後は、県幹部がホテルの支配人に頼み込み、用意してもらいました。

斎藤知事は吉村知事と個室で食事をしようとしたのですが、『なんで個室?』と先方から断られたそうです」

吉村知事から見れば斎藤知事はあくまで軽い存在だったようだ。

不同意性交で逮捕の元議員は取材に

また、会議の際に、県職員が偶然、エレベーターで一緒になったのが、宮城県の村井嘉浩知事だった。斎藤知事は2013年、総務省から宮城県に出向していたから、かつての村井知事の部下にあたる。

「村井知事が名札を見たのか、斎藤知事に同行していた県職員に『兵庫県から?』と声をかけて下さった。『斎藤知事のとこ? またパワハラやってないですか』とおっしゃい。村井知事は心配で聞いてくださったのでしょうが、恥ずかしい思いをしました。斎藤知事のパワハラ、そこまで有名なんかいと……」

吉村知事の「引導」にもかかわらず齋藤氏が知事続投の意向をしめした同じ日、維新にさらに激震が走った。

8月20日、東京・新宿歌舞伎町のカラオケ店で、中学1年の女子生徒に性的暴行を加えたとして、警視庁が不同意性交の疑いで、維新所属の元衆院議員、椎木保容疑者(58歳)を逮捕したというニュースが駆け巡ったのだ。

椎木容疑者は「カラオケボックスに女の子と2人で入ったのは確かだ。しかし、性交はしていない」と容疑を否認している。

椎木容疑者は日本維新の会で衆議院議員を2期務めている。2012年の衆議院議員選挙で千葉県13区に立候補し比例復活で初当選。2015年は大阪2区より立候補し落選したものの、吉村知事が大阪市長選に立候補し、辞職したことで比例復活した。

「吉村さんのおかげで、国会に戻ってくることができた」

当時嬉しそうに語っていた椎木容疑者だが、選挙には弱く維新の地盤である大阪でも小選挙区で勝ち抜くことはできなかった。

2017年の衆議院選挙では、維新は特定の候補を比例1位で優遇したこともあり、椎木容疑者は比例復活ができなかった。その際、こう不満を語っている。

「吉村や松井(一郎元代表)が、よそからきた落下傘を1位にしたから落選したんや。カネでももらって1位にしたんやろうか。ほんま、腹立つわ」

一方、「現代ビジネス」の取材に対し、当時椎木容疑者は

「昔から子供が大好きで、教育の道に一度は進んだ。茨城県の中学で教えていた。私立高校では社会科を教え、野球部の顧問もやっていた。鹿嶋市役所にその後、入って教育委員会で一貫して教育に携わってきた。日本の教育はどうなんだと疑問をいだいて、経験を生かして、政治に進もうと思った。維新では教育の分野の専門は少ないので、成果を出したい」

と語っている。いくら子供が好きでも、カラオケボックスで中学1年生と不同意性交とはとんでもない話だ。

「お金をあげるから一緒にカラオケボックスに行こうと誘って連れ込んだと見られます」(捜査関係者)

「吉村知事が斎藤知事に引導を渡せず、炎上。さらに椎木容疑者の事件が続いた。もうダメだ」と冒頭の維新の国会議員は嘆く。

自民党の総裁選が盛り上がる中、解散総選挙も間近とみられる。斎藤知事に、わいせつ事件で「維新惨敗」が現実のものとなるのか?

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