10月から「東京ゼロエミポイント」が直接値引き方式に変更

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 【家電コンサルのお得な話・209】東京都の「東京ゼロエミポイント」制度が、2024年10月1日から大きく生まれ変わる。この新制度は、省エネ家電への買い替えや新規購入をより簡単かつお得にするもので、多くの都民にとって見逃せないチャンスだ。新制度の最大のポイントは、これまでの「ポイント付与」方式から、購入時の「直接値引き」方式へと変更されることだ。

●直接値引きに変更で使いやすさが倍増



 「東京ゼロエミポイント」の従来の制度では、省エネ家電を購入した後に申請し、購入時に付与されたポイントを、商品券やLED割引券に交換するというプロセスが必要だった。多くの都民から「申請が面倒だ」「書類が多くて大変だ」などと悪評が高かった。

 そうした声を受けて新制度では、登録店舗での購入時にポイント分を直接値引きする仕組みとし、手間を大幅に削減した。特に高齢者や忙しい家庭には、この変更は大きなメリットとなるだろう。

 通常買い替えの場合、エアコンで最大2万3000円、冷蔵庫で最大2万6000円、給湯器で1万2000円、LED照明器具で最大6000円の値引きとなる。

●15年以上使ったエアコンや冷蔵庫は、さらに上乗せの補助



 また、今回の制度変更では、長期間使用した家電の買い替え支援を強化している。15年以上使用したエアコンや冷蔵庫を新しい省エネ家電に買い替える際には、通常の補助額に上乗せした補助が受けられる。

 具体的には、エアコンで最大7万円、冷蔵庫で最大8万円の値引きが可能となる。この大幅な割引は、長く使い続けた家電を買い替える絶好の機会となる。

 都の調査によると、15年以上使われている家電は全体の約2割に上るとのこと。これらの家電は、故障や電気代の高騰の原因にもなりかねないが、今回の制度を利用することで、最新の省エネ家電の導入を促し、家庭のエネルギー効率を一気に向上させることが可能になる。

●新規購入の支援も追加



 さらに今回の制度改正では、新規購入の支援も追加。これまでは買い替えのみが対象だったが、省エネ性能の高いエアコンや冷蔵庫を新規購入する際にも補助が適用される。具体的にエアコンで1万円、冷蔵庫で5000円の値引きとなる。

 高効率な家電を選ぶことで、長期的には電気代の節約につながり、環境への負荷も軽減される。「高額な家電の購入に踏み切れない」という声もあったが、直接値引き方式を導入することで、購入時のコストを大幅に削減し、手軽に省エネ家電を取り入れることができるようになる。

 この新しい制度は、家電の購入を支援するだけでなく、都民全体の省エネ意識の向上にも寄与する。東京都が示している2030年のカーボンハーフ実現に向け、都民の方々には、この制度をフルに活用していただきたいと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

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堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。