10日の練習で全力疾走するJ1福岡・ウェリントン

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 J1リーグのアビスパ福岡は、14日にホームのベスト電器スタジアム(福岡市)で2位の町田と対戦する。リーグ戦で9試合ぶりの勝利をつかむため、リーグ最少28得点にとどまる攻撃陣の奮起は不可欠。今季3得点でJ1通算33得点のベテランFWウェリントン(36)は「僕たちは6位以上を目指せるだけの力を持っている。細かいところさえこだわれば、本来目指すところに向かっていける」と攻守ともに隙のないプレーを心がけた。

 186センチ、89キロのウェリントンは、チームが勝てない時期も練習中からチームメートを吹き飛ばしてボールを奪うなど、試合さながらに熱く激しいプレーを見せている。「インテンシティー(プレーの激しさ)は僕の持ち味だし、そういう厳しさや激しさを出していくことでみんなはついていくと思う。練習でやったことが試合で表れるので、日ごろから出していくべきだと思っている」と味方にも球際へのこだわりを意識づけ、鼓舞した。

 Jリーグで通算11年目を迎えるベテランが持つもう一つの武器が、コミュニケーション力だ。日本語への理解力も高く、日本人を含む相手DFとの試合中の会話は最近話題になっている。8月24日のG大阪戦ではG大阪の中谷進之介と、9月1日の神戸戦では相手のトゥーレルと笑顔で会話する姿がJリーグの公式X(旧Twitter)で紹介された。

 Xの投稿を見たというウェリントンは「中谷君は最初のコンタクトで強さを出したとき、『ウェリさん、強いな、また強いな』と自然に話しかけてきた。なので自分も『どんどん来いよ、1人で足りるの? 2人で来てよ』と。楽しみながら自然と会話が出てくるので、取り上げられてうれしい」と喜ぶ。

■「いい話をしながらいいバトルにしたい」

 トゥーレルとも激しい攻防を繰り広げたが、会話は意外な内容だった。「最初のコンタクトの後に『ウェリ、いい匂いしているな』って言ってきて。自分は香水が好きなので、『格好よく意識しないとダメだよ』と冗談を交えて話したよ」と明かした。

 町田では元日本代表DF昌子源を意識する。「すごくいい選手。しっかりパワーアップして、彼ともいい話をしながらいいバトルにしたい」。当たりの激しさに加え、舌戦でも優位に立って福岡を勝利に導くつもりだ。(末継智章)