◆慰謝料代わりにまとまったお金を払え

「するとN菜は、慰謝料代わりにまとまったお金を払えと言ってきました。その額500万。いままでN菜との関係にかかるお金は、出張や飲み会で必要だと嘘をついてS美からもらっていました。なので、そんな莫大なお金はありません」

 事情を話すとN菜は逆上し、「白木さんに弄ばれた」と職場に流布。そのせいで関係がバレてしまったのだ。これにはS美も大激怒。離婚の話し合いとなった。白木さんはそのとき、「S美さんといっしょにいると窮屈で惨めだった」と、はじめて伝えている。

「するとS美は涙を流し、『完璧にこなさなきゃいけないと思ってしまうのは、私の悪いクセ。だからこそ、いつも自然体でいてくれる望のことを好きになったし、好きだった。望のこと、苦しめてごめん』と、こんな僕に謝ってくれました」

◆やり直したいと懇願するも…

 白木さんは「自分のしょうもないプライドのせいでS美を傷つけた」と心から後悔し、やり直したいと懇願。何度も何度も謝罪したが、世の中そんなに甘くはない。「浮気するような人とは、どうしても無理」と言われ、捨てられてしまったのだとか。

 会社では居心地が悪くなったばかりか、上司たちに問い詰められ、左遷。白木さんは、「もっと早く、自分の苦しい気持ちを打ち明けるべきだった」と話してくれた。大きな格差が原因で溝ができたとしても、早い段階で話し合えば解決することもあるかもしれない。

<TEXT/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5