週明け26日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比143.99ポイント(0.82%)高の17756.09ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が43.36ポイント(0.70%)高の6262.60ポイントと反発した。売買代金は473億5800万香港ドルとなっている(23日前場は416億9610万香港ドル)。
 米利下げ期待が相場を支える流れ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は23日、ジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演し、「政策を調整する時期が来た」と述べ、近く利下げを実施することを示唆した。市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが確実視されている。中国の不動産支援スタンスもプラス。住宅都市農村建設部の董建国・副部長は23日の記者会見で、不動産市況の改善に向けた在庫住宅の買い上げ政策を加速させると表明した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が5.1%高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が4.6%高、香港不動産の九龍倉置業地産投資(1997/HK)とバイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)がそろって4.5%高と上げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が高い。上記した龍湖集団のほか、世茂集団HD(813/HK)が5.0%、万科企業(2202/HK)が3.4%、旭輝(884/HK)が3.3%、龍湖集団HD(960/HK)が2.4%ずつ上昇した。
 非鉄セクターもしっかり。洛陽モリブデン集団(3993/HK)と江西銅業(358/HK)がそろって4.1%高、中国アルミ(2600/HK)が3.6%高、中国宏橋集団(1378/HK)が2.1%高で引けた。洛陽モリブデンについては、中間決算の利益7.7倍が材料視されている。
 そのほか、業績動向を手がかりにした物色では、テレビメーカー中国大手のTCL電子HD(1070/HK)が5.5%高。同社が23日引け後に報告した中間決算は、利益が2.5倍に拡大した。石炭生産で国内2位の中国中煤能源(1898/HK)は中間決算が減益だったものの、配当実施方針(前年はなし)を示したことで3.1%高で前場取引を終えている。
 半面、スマートフォン関連銘柄の一角は安い。光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.8%、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018/HK)が2.0%、中国スマホ部品メーカーの丘タイ科技(1478/HK)が1.0%ずつ下落した。
 そのほか、鉄道車両最大手の中国中車(1766/HK)が4.6%安。同社の中間決算は21%増益にとどまった。減益決算を嫌気し、薬品卸中国最大手の国薬HD(1099/HK)が4.1%安と値を下げている。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.07%安の2852.34ポイントで前場の取引を終了した。医薬株が安い。公益株、酒造・食品株、金融株なども売られた。半面、不動産株は高い。素材株、ハイテク株、自動車株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)