オービスの設置場所が分かる!? 「予告看板」は何メートル前にある? 「看板設置のルール」とは?
「予告看板」を目印にオービスがどこにあるか分かる!?
一般道のバイパスや高速道路などで配置されている「オービス」は、「自動速度違反取締装置」の通称です。
そして、オービスの前には必ず「予告看板」が設置されていますが、設置場所や看板のデザインにルールはあるのでしょうか。
オービスは元々アメリカのボーイング社の商標登録を取得した製品名を指していますが、代表的な自動速度違反取締装置であることから通称として使われるようになりました。
【画像】えっ…! オービス間近! これが色んな種類の「予告看板」です!(20枚)
スピードを計測して、固定式オービスの場合は一般道で30km、高速道路では40km以上で速度超過していれば撮影されるというのが定説ではありますが、移動式オービスの場合は15kmの超過でも撮影されたという事例があります。
撮影する際は赤か白のストロボが、昼夜問わずはっきりと認識できるくらいの明るさで光るので、撮られた際はすぐに分かります。
ストロボに「気付いた」、あるいは「光った気がする」場合、不安になり警察署に問い合わせたくなるかもしれませんが、残念ながら警察署に問い合わせても違反しているかどうかの返事をもらうことはできないので、大人しく通知を待ちましょう。
ちなみに犯罪捜査用として撮影されている「Nシステム」や、移動時間が測られる「Tシステム」、国土交通省が車検切れを発見するために使用される可搬式ナンバー自動読取装置「車検切れ発見機」などはオービスと似ていますが、まったくの別物です。
なお、オービスで撮影された場合は、撮影後1週間から3ヵ月以内に呼出状が郵送されます。
内容は「お尋ねしたいことがありますので…」と冒頭に記されており、違反内容について時間や場所などが記載されていることもあれば、されていないこともあります。
そして出頭日が記載されており、必ずその日に警察署に行かなくてはなりません。
警察署では実際にオービスで撮影された写真も見せてもらえますが、想像よりも鮮明な画質のようです。
そんなオービスですが、設置場所前には、必ず予告看板が手前に設置されています。
北海道であれば黄色の看板に黒字で「自動速度取締路線」、関東地方であれば青色の看板に白字で「自動速度取締機設置路線」、山陽地方であれば白色の看板に赤字と緑字で「スピード落とせ 速度自動取締機設置路線 〜県高速道路交通警察隊」、沖縄では「SPEED CHECK」という英語も併記されているなど看板の大きさや色、文言は地域により異なります。
固定式オービスの予告看板の設置場所はオービスの位置から500m手前、1km手前、2km手前に設置されているのが代表的ですが全国で統一された決まりはなく、こちらも地域によって異なるようです。
また、移動式オービスの場合は予告看板を設置しないことも多く、代わりにSNSやサイトで告知することもあるといいます。
移動式オービスの看板は、固定式オービスに比べて簡単に持ち運びができるような簡易的なものであることから、設置場所も道路の路肩や歩道、中央分離帯など様々です。
なかには、看板のサイズが小さいものも存在し、どこにあるか気付けないこともあるようです。
真面目な方は「予告看板なしで、いきなり撮影した方がより多くの違反車両を取り締まれるのでは?」と思われるかもしれません。
オービスの予告看板が設置された理由として、ドライバーや同乗者の「プライバシー権や肖像権を侵害しないため」ということが挙げられます。
実際に過去にはオービスの撮影を巡り、「自動速度監視装置による速度違反車両運転者及び同乗者の容ぼうの写真撮影の合憲性」が問われる裁判が行われたことがあります。
その裁判では「自動速度監視装置により速度違反車両の運転者及び同乗者の容ぼうを写真撮影することは、憲法一三条に違反しない」という判決が下りました。
なお、撮影されるのを防ぐために、ナンバープレートを隠したり、マスクやサングラスで顔を隠したり、撮影してもブレるようにスピードを上げるなどといった行為は、そもそも行為自体が違反だったり、危険だったりするので絶対にやめましょう。
オービスをやっかいな存在だと思う人もいるかもしれませんが、スピード出し過ぎを防ぐために一役かっている大切なものです。
オービスの有無に関係なく、日常的に法定速度を意識し、スピードを出し過ぎないよう心がけましょう。