2024年8月8日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ロシアにおける仮想通貨マイニングを合法化する法案に署名しました。この動きは、ウクライナ侵攻に対して西側諸国が科している経済制裁を回避する試みのひとつとみられています。

Putin signs law on legalizing cryptocurrency mining in Russia - Business & Economy - TASS

https://tass.com/economy/1826725



Putin Signs Bill to Green Light Crypto Mining in Russia - Decrypt

https://decrypt.co/243821/putin-signs-bill-green-light-crypto-mining-russia

BRICS: Russia Officially Legalizes Bitcoin and Crypto Mining

https://watcher.guru/news/brics-russia-officially-legalizes-bitcoin-and-crypto-mining

Russian President Putin Signs Law Legalizing Cryptocurrency Mining

https://cryptonews.com/news/russian-president-putin-signs-law-legalizing-cryptocurrency-mining.htm

8月8日にプーチン大統領が署名した法案では、「デジタル通貨のマイニング」「マイニングプール」「マイニングインフラストラクチャーの運営者」といった新しい概念が導入され、仮想通貨マイニングで得られた仮想通貨を「売上高の構成要素」として扱っています。

これにより、デジタル開発・通信・マスコミュニケーション省に登録された法人や企業家が合法的に仮想通貨マイニング可能となるほか、個々のマイナーも政府が定めたエネルギー消費量であれば自由にマイニングできるとのことです。

仮想通貨マイニングに加え、ロシアの居住者がブロックチェーンプラットフォームで外国のデジタル金融資産を取引することも許可されます。しかし、特定の資産が国家の金融の安定性を脅かす場合、ロシア銀行がその取引を禁止する権利も留保しています。

法案は特定の発効日が定められていない場合、公布から10日後に発効するとのことです。



ロシアでは2022年以降、決済手段の一形態としての仮想通貨が違法とされていました。しかし、西側諸国による経済制裁が続く中で、プーチン大統領はデジタル資産に対する考え方を変化させています。

署名に先立って開催された政府会議において、プーチン大統領はデジタル通貨の導入と使用について話し合い、デジタル通貨は有望な経済分野だという見解を表明。ロシアが「機会をつかむ」ためには法的枠組みと規制を迅速に作成し、インフラストラクチャーを開発し、デジタル資産流通のための条件を整えることが重要だと主張しました。

また、ロシアが参加する新興経済圏のBRICSはアメリカドルから距離を置くために、過去数カ月にわたってブロックチェーンを活用したデジタル通貨の導入を検討していると伝えられています。

特にロシアと中国は国境を越えたデジタル通貨による貿易に目を向けており、中国企業のQifaなどが手がけるデジタルプラットフォームは、アメリカの制裁を回避する手段になる可能性があります。

仮想通貨系メディアのCryptoNewsは、「BRICS圏のデジタル通貨と決済プラットフォームの開発は加速すると予想されており、同盟を強固なものにしてさらなる変化を促進する可能性があります。BRICS圏はデジタル金融の革新を続けることで世界経済における地位を固め、伝統的な金融システムに挑戦することを目指しています」と述べました。