二宮和也

写真拡大

視聴率11%台をキープ

 嵐の二宮和也が主演するTBS系日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」(日曜午後9時)の視聴率が好調だ。初回は11.8%、第2話は11.9%で21日放送の第3話は前回から0.8ポイント減ったものの11%台と2ケタをキープ(ビデオリサーチ、関東地区)。Netflixの日本ドラマランキングでも7月8日から2週連続でトップとなるなど勢いは強い。2018年4月期に同じ二宮が主演した日曜劇場「ブラックペアン」の続編で「シーズン1」同様、クセの強い天才外科医が主人公だが、2人の性格はずいぶん異なるようだ。(※以下、ネタバレがあります)

【写真】「みんな若い」「戦友!」の声…二宮が投稿した6年前の3ショット。大反響だった4歳、小6の時の一コマも

 連続ドラマをウォッチングしている放送ライターがこう話す。

二宮和也

「二宮は、前作では外科医・渡海征司郎を、シーズ2では役どころを変更し天城雪彦を演じています。同じ心臓外科医で守銭奴ですが、渡海は黒髪でやぼったい印象、天城は銀髪に耳ピアスでファッショナブル。両シリーズに出演している竹内涼真演じる世良に対して、渡海は『どけ! じゃま!』が口癖ですが、天城は『どける?』とジェントルマンです。

 手術に対するスタンスも異なります。渡海は権威のあるベテラン医師が編み出した世界的なオペを習得する努力家ですが、天城は『君たちはオペを職人技か何かと勘違いしてるんじゃないの。寝る間を惜しんで何年も努力を重ねてようやくたどり着いた頂が最高のオペであると。その考えだから無理なんだ。だってオペは芸術だもの』と言い放ちます。渡海はオペを技術、天城は芸術と考えるところが根本的な違いですね」

 第3話で天城(二宮)は桜宮市にオープン予定の病院を「スリジエハートセンター」と勝手に命名。東城大学医学部付属病院長の佐伯清剛教授(内野聖陽)から叱責を受ける中、自身のセンター長就任の記念を公開手術で行う、といきなり発表する。そんな中、狭心症と認知症を患った生活保護受給者の年子(正司花江)が転院してきて、世良は天城にしかできない手術だと考える…という展開。

 ストーリーは「ブラックペアン シーズン2」の原作である海堂尊氏の小説『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』におおむね沿っているが、原作との違いを指摘する声が上がっている。

原作での主人公は長身

 出版社関係者がこう解説する。

「シーズン1の原作である『ブラックペアン1988』の冒頭で佐伯教授が登場しますが、容貌は白い眉毛でオールバック。しかし、内野聖陽演じる佐伯教授の眉は黒々としていて髪は真ん中分けで、渡海は長身の中年でぼさぼさの髪となっています。

 一方、『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』の主人公・天城は彫り深い貴族のような顔立ち。イタリア・ルキノ社の社長を手術した謝礼としてせしめた世界的名車ガウディの特注品であるヴェルデ・モトと、マリツィア号と名付けた黒いハーレー・ダビッドソンを乗り回す表情豊かで自由奔放な人物として描かれています。しかし、ドラマで天城がバイクや車を乗り回すシーンは今のところ登場していません」

 原作との違いをめぐっては、23年10月期に放送された日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが他界し、テレビ業界に強い衝撃を与えた。この問題を踏まえて、同局は7月22日、「ドラマ制作における指針」を発表して「原作を尊重」「放送1年前には原作側とドラマ制作側で企画に対して基本的な合意を作るように努める」という取り組みを明らかにした。「ブラックペアン」シリーズについて原作者とドラマ制作サイドとの間に意見の違いはないのか。

 前出の放送ライターがこう明かす。

「原作での主人公は長身という設定で小柄な二宮とは印象が正反対です。しかし、(原作者の)海堂さんは18年放送の『ブラックペアン』の打ち上げの席で、TBSの伊與田英徳プロデューサーに続編のアイデアを伝えて、続編の制作を希望したといいます。ドラマのホームページでも海堂さんは『ダメ元でお伝えして6年、ついに念願叶ってうれしいです』と大喜びしています。

 ですから、設定が変わったことについて異論はないようですし、むしろ、『私の予想を上回る素晴らしいドラマを作り上げてくださることでしょう』とTBS独自の演出に大きな期待を寄せています。もちろん、漫画と小説という違いはありますが、今作に限って言えば『セクシー田中さん』のように話がこじれる心配はなさそうです」

 原作の最後は極めて悲しい展開となるが、ドラマの結末は、さて――。

デイリー新潮編集部