松本まりか「波乱を乗り越えてこそ“幸せの深度”が増す…リベンジでは終わらない作品」:夫の家庭を壊すまで

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毎週月曜よる11時6分からは、ドラマプレミア23「夫の家庭を壊すまで」を放送!

初恋の相手と結婚し、純愛を貫いたと信じていたのに、夫は不倫相手ともう1つの家庭を持っていた!? 「この罪、私は絶対に許さない!」痛快無比なサレ妻のリベンジが開幕する!

【動画】愛憎渦巻く四角関係!「夫の家庭を壊すまで」最新話

フルカラー電子漫画「夫の家庭を壊すまで」(HykeComic/Amuse)を実写化。長年の不貞に鉄槌を下すサレ妻・如月みのり役を、主演の松本まりかが演じる。
その他、15年にも渡り不倫をしているみのりの夫・如月勇大役を竹財輝之助、みのりと勇大の離婚を願うシングルマザー・三宅理子役を野波麻帆、理子の息子でみのりに好意を寄せる高校生・三宅渉役を野村康太が演じ、この夏、愛憎渦巻く四角関係が展開される!


「テレ東プラス」は、主演の松本まりかにインタビュー。作品への熱い思いと、俳優としての現在地を聞いた。

“自分はこう見られたい”とか、そういうものがパカーンとなくなりました(笑)



――「テレ東プラス」のインタビューにお答えいただくのは、「死役所」「東京、愛だの、恋だの」以来となり、今回の主演作は“サレ妻のリベンジ”がテーマになっています。クランクインして2日目(取材時)ですが、今の感想はいかがですか?

「私が演じるみのりはネガティブな感情を持って復讐を企てている役なので、そういう部分と“今年の夏、楽しい素敵な現場にしたい”という思いとの狭間にいて、実はまだ、現場でもどうしていいか分からない状態です。みのりの暗い気持ちに覆われていると、現場でもなかなか明るく楽しくできなくて…。それでも、スタッフの皆さんといい絆やコミュニケーションを築き上げて、振り返った時に“あー本当にいい夏だった。この作品をやって良かった”とみんなに思ってもらいたいですし、私自身もそういう作品にしたいと思ってはいますが、みのりの感情を持ちながら現場でどう過ごしていくのか…私にとっては大きなハードルだなと。今はまだ模索している最中なんですけど、30代最後の作品ですし、現場を通して楽しい夏にしたいです」

――夫の勇大役を演じる竹財さんの印象はいかがでしょう。

「今はまだ、私がひたすら勇大を“見張っている”シーンばかりで(笑)。ただ、お会いしてご挨拶した瞬間、“みのりが大好きな勇大だな”と思いました。竹財さんとは以前も共演させていただいたのですが、久しぶりにお会いしたら、その瞬間、竹財さんのことを“勇大だ”と思いましたし、 “この人が裏切るなんて思えない“という勇大の悪意のなさみたいなものを、すでに醸し出していらっしゃいました。穏やかで優しくて…そんな竹財さんが演じる勇大だからこそ、大きな説得力を持つのかなと思います」


――勇大の長きにわたる裏切りを知り、みのりは2人の離婚を願う理子の息子・渉に接触します。松本さんの中では、みのりをどのように分析していますか?

「黒い感情に苛まれ、支配されるような役ではありますが、彼女の根本にあるのは純粋さ。みのりは結婚する時に“純粋でいること”“勇大と一生添い遂げること”を心に誓ったんだと思います。彼女は大好きな勇大と結婚して、本当に幸せな人生を送ってきた。『この愛を守り抜くと誓った』というみのりのセリフがあるんですけど、すごくステキだなと思っていて、そんな純粋さを守ろうと誓った人なのだと思いました。

でもそんな中、抗えない事実を知ってしまうわけですよね。おそらく、人生で初めて。そこで真っ黒な心に反転するんですけど、それが混じり気のない真っ黒というか。みのりが持つ黒い感情っていうのは、純粋さや正義感が反転したもので、それをベースにしている愛憎劇なので、見ている皆さんも気持ちが濁ることはないのかなと。

みのりは、事実を突きつけられて行動し始めます。強くなろうとする。能動的に自分の人生を開拓していこうとする。もちろん、平穏無事に一生を過ごせたらそれはそれで幸せだけど、こういう波乱が起きたら、より“幸せ”に対する深度が増すと思うので、そういうチャンスだと捉えることもできる。

波乱に立ち向かって痛い思いをしながらも、悲しいとはどういうことなのか、人を傷つけるというのはどういうことなのか…そういうことを知って初めて、本当の愛や本当の幸せがわかる人になるんじゃないかなと思いました。作品を通してそこまで伝えられることができたら、ただのリベンジにはとどまらない、深いところまで行きつくドラマになるのではないでしょうか」――愛憎劇でありながら、ポジティブな視点を持つことで、また違った深度を増すドラマになると。

「何かしらいい影響を与えられるドラマにしたいっていうのは、それはもう私の思いだけかもしれないですけど。復讐のドラマではありますが、そこで終わらせない。その先にある喜びや人間としての成長、希望があって、最終回まで見届けた後は心が豊かになる…そんなドラマになればいいなと思います」


――主演作が続き、公開中の映画「湖の女たち」も話題になっていますが、40代を迎えるにあたり、お仕事に対する気持ちの変化はありましたか?

「そうですね、まず自分の立場を自覚すること。自分はなぜこの仕事をしているのか、そしてこの仕事はどういう影響を持っているのか。若い頃は、自分がいかに楽しめるかということを考えていたように思いますが、ここから先は、“誰かに何かを与える人生にしたい”と思っています。自分が暗い気持ちになっていると、現場の空気がよどむんですよね。このお仕事を続ける上では、何かしらの形で人の希望になるべきだと思いますし、誰かの人生が豊かになればいい、そういうものを与えられたらとてもステキじゃないですか。

私の40代はここから始まります。皆さんに幸せや笑顔、希望を与えられる人でありたいし、そういう仕事をしていきたい。自分のためというだけでは、もう幸せを感じられなくなってしまったのかもしれません(笑)。人に幸せを与えられた瞬間って、それはもうこの上ないもので、スタッフさんたちが笑っているだけで私も笑顔になっちゃう。これが幸せなんだと思えますし、これからは、そういう幸せの交換を多くの人としていきたい。そんな人生にしたいなと思っています」

――松本さんはいつも対等にフランクに…どんなに多忙な中でも、しっかり記者と向き合ってくださる方だなと感じています。ステキな考え方をお持ちなのですね。

「いつも、つい自分ばっかり喋っちゃって…(笑)。年を重ねていくうちにいろんなものが、例えば“自分はこう見られたい”とか、そういうものがパカーンってなくなったんですよね(笑)。子どもっぽいかもしれないけど、愛とか笑顔とか幸せにしたいとか、小っ恥ずかしい言葉を本気で言えるようになりました。でも、それはそれで極限プレッシャーで(笑)。
ある日、“自分はこんなに影響力がある作品に出演しているんだ”と思ったら怖くなったんですよ。まっすぐ生きないとなと(笑)。さらにこの年になったら、もう甘えられないし強くならなきゃいけない。今はそれに押されてやっている感じです。
テレビドラマには大きな影響力がありますし、エンターテインメントを作るって本当にすごいこと。これからもしっかりと責任を持って、皆さんにステキな影響が与えられるように、頑張ります」


衣装クレジット:白シャツ¥48400、黒ドレス¥79200、中に着たスカート¥74800/全てリミ フゥ 靴¥28600/銀座かねまつ6丁目本店(銀座かねまつ) リング[ホワイトゴールド]¥22000、他リング各¥19800/エナソルーナ ピアス/スタイリスト私物

(撮影/田中健児 取材・文/蓮池由美子)

【松本まりか プロフィール】
1984年9月12日生まれ。東京都出身。B型。2000年デビュー。「向こうの果て」「それでも愛を誓いますか?」、「地球の歩き方 サイパン 七色の海と精霊特集 サイパン島〜マニャガハ島〜テニアン島編」、「ミス・ターゲット」など、主演ドラマ多数。公開中の映画「湖の女たち」(福士蒼汰とW主演)も話題に。

【第2話】


不倫相手の息子・三宅渉(野村康太)が通う塾で勤務を始めたみのり(松本まりか)。正体を隠しながら渉の父親を調べるため距離を縮めていく。
渉の父親は夫・勇大(竹財輝之助)なのか…。親身に相談に乗ってくれるみのりに少しずつ心を開いていく渉は、自身の幼少期の話をする。疑惑が深まる時、母親の理子(野波麻帆)が倒れたと一報が。病院へ向かう渉の後を密かに追うみのり。病室の理子と渉の元に、勇大が遅れて到着する…。