小島あやめさん(C)日刊ゲンダイ

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あの人は今こうしている】

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 小島あやめさん(28歳)

 2000年代半ば、レモンガスやアクアクララのCMで、DJの真似をしながらノリノリで「チッチキチッチッチー」「YO!」とヒップホップを披露していた女の子がいた。小島あやめさんだ。CM初放送から20年。大人になった小島さん、どうしているのか。

 ◇  ◇  ◇

 小島さんに会ったのは、東京メトロ・四谷三丁目駅から徒歩数歩の老舗芸能事務所「サンミュージックプロダクション」。

「大学を卒業する少し前から、お世話になっています。デビュー時から所属していた前の事務所は子役専門だったので20歳で辞め、その後1年間はフリーで活動。フリーはお仕事の依頼がホンモノなのか、いたずらなのか、判別がつかなかったりして大変でしたね」

 小島さん、まずはこう言った。ボブヘアが似合ってかわいらしい。活発な雰囲気は残しつつも、女性らしく成長したんだなァ。

 5年前に卒業したのは、明治大学文学部。演劇学専攻とはいえ、優良企業へ就職する道も開かれていたのでは?

「就職は考えませんでした。成長するにつれ、メディアでの露出は昔ほどではなくなり、大学時代はサークル活動に打ち込む毎日でしたが、楽しいことをやって、いろんな人に元気を届ける仕事として、この先も芸能活動をやっていきたい、とずっと思っていたので」

 今は女優として活動をしているのか。

「年に数回、イベントのMCや、お芝居の舞台に立っています。オーディションにめちゃ落ちてつらいですけど(笑)。実は、子役としてこの世界に入った時、本当はドラマに出て『この子、泣かせるな』と言われたかったんです。だから、周りの子役と同じように、フリフリのお洋服を着て、オーディションを受けて。でも、落とされることが多く、いつもサポートしてくれた母が『いつもの格好でいってみよう!』と言い出し、三つ編み、半袖、半ズボンで、普段遊びでやっていたヒップホップDJの真似をやり始めたら、オーディションに通るようになったんです。だから、思い描いていた芸能活動のイメージとは違いました(笑)。でも、いろんな経験をさせてもらい、財産になりました」

 初心に返り女優を、というわけだ。大学時代は舞台サークルで活動を?

「いえ、演劇を授業の座学で学びましたが、サークルは『MDD』という100人以上会員がいる、大所帯のダンスサークルで活動していました。ダンスは子役になる前からヒップホップを始め、小学校4年から、マイケル・ジャクソンがやっていたようなポッピングというジャンルのダンスにのめり込んでいたんです」

 そのポッピングで、サークルのチームの一員や個人としてダンスの大会に積極的に出場。3年時には「全日本大学ストリートダンス選手権」ポッピング部門で1位を獲得したというからスゴイ。

「今は“生で見せる”ことに夢中ですね。一昨年からコントも始めました」

 え、お笑いってこと!?

■昨年は「THE W」に挑戦

「大学卒業後、舞台に立ち始めたら、お客さんに笑いが起きるのが快感になってしまって、もっと笑ってもらうにはどうしたらいいんだろう、と考えコントだ、と(笑)。21年に舞台で共演した、35歳の元芸人の俳優・荒波タテオさんとのユニット『ゾウ』やピンで活動しています。たいして場数を踏んでいないのに、去年、女性芸人の大会『THE W』に軽い気持ちで挑戦したら、2回戦敗退したもののネットで話題になってしまって(笑)」

 まだまだ夢が広がる。恋愛するには“無敵の20代”だが、そっちも楽しんでいるのだろうか。

「いや〜浮いた話はないですねぇ(笑)。家でひとりでボーッとしていることも多くて。私の周りで結婚や子どもの話をする子は、まだいませんね。『老後ひとりだったら一緒に暮らそう』とか『親の介護はどうしよう』とか、そんな話ばかりです」

 もっと今を楽しまないと、もったいない。

■両親と3人暮らし

 さて、神奈川県出身の小島さんは、4、5歳の頃、子役専門芸能事務所に所属。5歳の時、保育雑誌「Piccolo」(学習研究社)の雑誌モデルでデビューした。

 8歳の時、レモンガスのCMで「チッチキチッチッチー」と、表情豊かにヒップホップを披露すると注目され、バラエティー番組「おはスタ」(テレビ東京系)や子ども向け番組「シャキーン!」(Eテレ)のレギュラーになるなど活躍した。

「バラエティー番組『さんまのスーパーからくりTV』(TBS系)の子ども企画に出演し、自己紹介ラップを披露したら、レモンガスさんからオファーをいただいたんです。おかげで忙しくなり、小・中学校の頃は学校を休みがち。でも、いじめはなく、両親は私のギャラをずっと貯金してくれて、私はそのお金で大学に行き、車の運転免許を取りました」

 堅実なんだなぁ! その両親と、神奈川県内で3人暮らし。

(取材・文=中野裕子)