菅義偉前首相

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 自民党菅義偉前首相は月刊誌「Hanada」8月号のインタビューで、政治資金パーティー裏金事件を巡る岸田文雄首相の対応について「総理自身も各派閥と同じような処分を自身に科すべきだった。責任を取るべきだったのではないか」と批判した。菅氏は23日にもオンライン番組で首相交代に言及しており、9月に予定されている党総裁選に向けて「反岸田」色を鮮明にしている。

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 菅氏は裏金事件を受けた党の政治改革について「派閥を解消することが政治改革のスタートだ」と強調。首相が派閥解消を打ちだしたことを「評価している」とする一方、「やるならすべての派閥を一気に解消すべきだった」と述べ、首相の後見役を務める麻生太郎副総裁が麻生派を存続させていることを暗に批判した。

 総裁選については「自民党を覆っているこの嫌なムードを払拭(ふっしょく)する機会にしなければならない。自民党には若い優秀な議員が少なからずいる」と述べ、若手の台頭に期待感を示した。

 一方、麻生氏は26日夜、河野太郎デジタル相(麻生派)と東京都内で会食した。党総裁選に向けた対応などを協議したとみられる。【川口峻、高橋祐貴】