◆捕まった瞬間は“ようやく止めてもらえた”

 逮捕当時は窃盗したお金でホストに通っていたというが、恐ろしいことに「高級ソープで働いたお金だけじゃ足りなかったから」とうつむく。

「好きなホストがいました。彼は私以外に同棲している“エース”(いちばんお金を使う客)がいて、その子が月300万円とか使っていると聞いて。そのポジションになりたくて、どうしてもお金が欲しかった。

 店に行けば、必ずアフター(店外デート)もしてくれて、お泊まりもしてくれて、すごく優しくて大好きな担当だったけど、別の女の子と住む家に帰っていく後ろ姿を見て、不安で不安で仕方がなかった。彼のせいにするつもりはないし、窃盗した理由にはならないと思いますけど」

 そして、ついに警察が家にやって来る。

「捕まることばかり考えていたので、捕まった瞬間は、“ようやく止めてもらえた”って安心したんですよね」

◆「早く全て払い終わりたい」

 現在は、ホストクラブはもちろん、歌舞伎町にも「行きたいとは思わない」と話すAさん。最近はホスト関連のニュースを見て「ホストという仕事やホス狂いの子たちを決して否定するわけじゃないけど」と前置きした上で、こう話してくれた。

「ハマりすぎるのはあぶない。今はなんで窃盗なんてやったんだろう、バカなことをしていたってわかるけど、あのときは犯罪をする罪悪感よりも大好きだったホストの役に立ちたかった。ホストに行っている友達しかいなかったし、家族とも疎遠でホストしか頼れる人がいなかった。身の丈にあった遊び方ができなくなったら危険信号ですね」

 Aさんは被害弁償に追われているという。「早く全て払い終わりたい」と繰り返していた。

<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720