会見を行ったジョン・モクスリー

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 「プロレス・ブラッドスポーツ 武士道」(22日、両国国技館)

 元UFC世界ヘビー級王者で、PRIDEや新日本でも活躍したジョシュ・バーネットが主宰する米プロレス団体の日本旗揚げ戦に出場する現IWGP世界ヘビー級王者ジョン・モクスリーが21日、都内で記者会見を行った。モクスリーはメインイベントでジョシュと一騎打ちを行う。

 米WWE、米AEW、新日本とメジャー団体で最高峰王座に君臨したモクスリーだが、ブラッドスポーツは「一番好きなもの」だと打ち明けた。

 「初めて見たのはジョシュ対鈴木みのるだった。プロレスのピュアなものを全て注ぎ込んだルールが本当に斬新で、最高の技術の試し合いだと思っている。多くの北米プロレスはBS(ブルシット)みたいなものがとても多くて、キャラクター重視やプロモーション絡みが多いけど、そういった無駄なものが一切ないと思った。頼れるのは自分の技術のみで、本物のサバイバーだと思った。本物の戦いの中でモクスリー対バーネットが実現しなければならないと思った」と、ブラッドスポーツの魅力と思い入れを熱く語った。

 モクスリーは「ブラッドスポーツ3」でジョシュにTKO負けしており、「初対決は皆の予想どおりの結果となった。ジョシュが俺の頭を延々と踏みつけて血まみれになった。最後に踏みつけられた時には意識が飛んでいて、気付いたら試合が終わっていた。ジョシュの王国なのでそんなのは当たり前だと思うが、俺が一番悔しかったのは勝敗ではなく、僅差の試合で、もう少しで勝てたという瞬間がたくさんあったのに負けたということだ。それは幻想でも夢でもなく現実に勝利がすぐ目の前にあった」と振り返った。

 今回の雪辱戦に向けて「明日は生きて帰れるかも分からないが、本物の戦いの魂を見せて、皆にいいものを届けたい。俺はマジックを起こすためにいると思っている。全てのものを注ぎ込んで表現する場をもらったので、明日はいいものを見せたい」と意気込んだ。

 現役のIWGP世界ヘビー級王者として臨むことについては「もちろん新日本の王者として、歴代の王者や新日本に関わっている全ての人たちに恥じない試合をしようと常に心がけてはいる。靴を履いて家の玄関を一歩出たら、もう自分は新日本の代表としているんだということを一度も忘れたことはない」と、責任感をにじませた。

 その上で「新日本は俺の父親ではなく、俺の人生をコントロールできるわけではない。俺は誰かのために生きているのではなく、自分のために生きている。自分のプロレスラーとしてのキャリアが終わって日が暮れる時には、自分がプロレスラーとして全てを出し切れたかが一番重要だと思っている。プロレスラーである自分を誇りに思うし、何万人に一人しかできないことをやっているのは確実だ。ただ、プロレスラーだからどうするというのではなく、自分のために生きている」と、自身の哲学を開陳。

 「もしアントニオ猪木さんが今、生きていたとしたら、ジョシュ・バーネットが何なんだ?と言うだろうと思う。誰がどうじゃなく、今何ができるかが一番大事だと、絶対にそう言うはずだ」と熱く訴えていた。