「0時から6時までSNSの通知禁止」などを含む未成年者保護法案にニューヨーク州知事が署名
by Governor Kathy Hochul
ニューヨーク州知事のキャシー・ホークル氏が2024年6月20日、未成年者をSNSの中毒性から守ることを目的とした2つの法案に署名しました。
Governor Hochul Joins Attorney General James and Bill Sponsors to Sign Nation-Leading Legislation to Restrict Addictive Social Media Feeds and Protect Kids Online | Governor Kathy Hochul
New York Gov. Kathy Hochul signs bill targeting addictive social media platforms: "Our kids are in distress" - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/safe-act-kathy-hochul-new-york-social-media-algorithm-teens/
New York bans ‘addictive feeds’ for teens - The Verge
https://www.theverge.com/2024/6/20/24182396/new-york-governor-social-media-law-parental-consent-algorithms
今回ホークル州知事が署名した法案の1つは「Stop Addictive Feeds Exploitation (SAFE) for Kids Act」と呼ばれています。この法案は、ソーシャルメディア企業が18歳未満の子どもに対し、レコメンデーションアルゴリズムを利用した「中毒性のあるフィード」を表示する際に、保護者の同意を必要とするものです。
また、ソーシャルメディアプラットフォームが保護者の同意なしに、午前0時から午前6時までの間に未成年者に対して通知を送信することを禁止しています。この法案はニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェームズ氏が正確な規則とガイドラインを固めてから180日後に発効し、これらの要件に違反した場合、ソーシャルメディア企業には1つの違反ごとに最大5000ドル(約79万5000円)の罰金が課せられることになるそうです。
この法案の関係者は「法案の目的は、ソーシャルメディアプラットフォームで使用される中毒性のあるフィードや、SNSの夜間使用による睡眠障害から子どもたちのメンタルヘルスを保護すること」と述べています。
さらに、ホークル州知事は「ニューヨーク州児童データ保護法」と呼ばれる法案にも署名しています。この法案は、オンラインサイトおよびオンラインのデバイスによる、未成年者からの同意のないデータ収集、使用、共有または販売することを禁止するというものです。
ニューヨーク州児童データ保護法に違反した場合も、企業に対し1つの違反ごとに5000ドルの民事罰が求められます。なお、この法案は法案の制定から1年後に施行されるとのこと。
ホークル州知事は海外メディアのCBSに対し「ニューヨーク州に住む未成年者は、自分のコントロールの及ばない、強力な力にとらわれています。SNSで使用されるアルゴリズムには未成年者を引きつける中毒性があります」と語りました。また「中毒性のあるフィードを抑制し、子どもたちの個人データを保護することで、より安全なデジタル環境を作り出し、保護者に安心感を与えるだけでなく、ニューヨークの若者の明るい未来を創造します」と主張しました。
一方で、一部のテクノロジー企業は「この法律はオンラインでの言論の自由を制限することにつながり、合衆国憲法修正第1条に違反します」と主張。MetaはCBSに対し「この法案のあらゆる側面を支持するわけではありませんが、アプリストアからアプリを入手するために保護者の承認を得ることを義務付けることには賛成です」とのコメントを残しています。