7歳差の男の子兄弟を育てながらワーママとして働いているヨカ(@yoka9003)さん。今春、次男くんはピカピカの小学校1年生になったばかりだが、長男くんはもう中学生。これは昨年(2023年)の秋に長男くんがスマホデビューした際のお話である。中学生のスマホの中には、大人も驚愕する世界が広がっていた…!!「そろそろ子どもにスマホを持たせようかな…」と検討しているママ必見のお話である。

【中学生のSNS事情を読む】ある生徒の母親のアカウントを特定し、晒している!「ラストにゾッ」

ヨカさんはこの漫画の冒頭で「はじめに」と題し、「これは中学生になった長男がスマホデビューし、中学生SNS事情を目撃した大人(保護者)の感想です。すべての子どもたちが作中のようなことに当てはまるわけではありません」と断り文を入れている。あくまでもひとつの“事例”である。ヨカさんはどのようなSNS事情を目撃したのだろうか?

スマホデビューした長男が、少し不安そうな口調でヨカさんにスマホの画面を見せてきた


スマホを持ったことで、さまざまなグループから招待された長男くん。そのなかでも最大勢力を誇るのが同じ中学校の1年生が作った「1年団グループ」だった。“みんなと仲良くなるため”という大義名分の元に作られたはずのこのグループだったが、だんだん雲行きが怪しくなっていき…!!戸惑った長男くんから「なんかさ、大変なことになってるような…」と画面を見せられたヨカさん。目にした画面では、「親のSNSアカウントを特定する」という事態が発生していた。そして、社会問題にもなっているSNS誹謗中傷を彷彿させるような投稿が次々となされていたのだった。

「これ見て!」「Aのお母さんじゃね?」とある生徒の母親のアカウントが特定され、SNSのグループで晒されていた!


このエピソードについてヨカさんに話を聞いてみた。

――今回のエピソードを漫画にした理由について教えてください。

SNSのグループでのやり取りで子どもが不安に思ったとき、「もしこんなことがあったときにどうするのか?」をあらかじめ各ご家庭で話し合っておくと、目撃したときに冷静な判断ができるのではないかと思い投稿しました。

――ヨカさんはお子さんにどう対応しましたか?

いろいろと思うところはありましたが、「憶測でものを言うのはよくない」ということを子どもたちには常に教えており、まずはそれをあらためて伝えました。でも、それは子どもだけでなく、大人も実践しないといけないことです。子どもにどうこう言う前に、大人がネットマナーを守っているところを見せないといけないと思います。

――漫画の作中でも描かれていますが「むしろ大人のほうが、SNS利用のルールを見直さないと」ということですよね。

はい。子どもが親のSNSを見たときに「恥ずかしい」「言わないでほしかった」と思うことがないようにしなければいけないと思いました。子どものプライバシーは子どものもの。SNSに自分の気持ちを吐き出すのは悪いことじゃないけど、「お母さん(お父さん)は自分のこと、こんな風に見ていたんだ…」と失望させないようにしないといけないと思います。

――大人の課題も多いですよね。

実は今の子どもたちは、特別授業でSNSトラブルについてわりと口酸っぱく注意を受けています。小学生のときから習いますし、注意喚起の冊子も配られますので、なんなら大人より詳しいです。「…じゃあ、大人は?」というと、大人は平気で顔を晒していたり、今いる場所の特定ができる投稿をしていたり、自分の子どもの顔も出したり、スタンプで顔を隠していても特性を晒したりしているけど、それはいいの?ってなりますよね。子どもには禁止と言っておいて、大人は自分たちを晒す権利があるの?って理不尽に思われても仕方ありません。

――ヨカさんがSNSをする際に注意していることは何でしょうか?

私のSNS利用の信条は「日常を見せても隙を見せない」です。私は前職が商標·意匠·肖像等の権利の取り扱いが厳しいところだったので、個人情報の取り扱いはめちゃくちゃ気を使ってます。

「自身が商材!」って方は自分自身が広告だから顔出ししてナンボというもあるので、載せてもアリだと思います。だけど、子どもを載せるか?顔出しするか?は親子で本当によく話し合って自己責任で載せないといけないと思います。

――確かに、親子での話し合いや確認は大事ですね。

その都度どんなところを載せるのか?何を書くのか?自分の子どもといえども、確認をしておいた方がいいかもしれません。小学生のころは「どんどん載せて」と言っていても、思春期になったら「恥ずかしいからやめて」に変わる可能性があります。ただ、親がイキイキとSNSをしていたら、なかなか嫌だと言い出せなくなる子もいるので、注意が必要です。

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ヨカさんによると、「本作は実話ベースではあるものの、個人情報保護の観点からいろいろいじっています」とのこと。漫画の作中で出てくるスマホ画面の文面も、オブラートに包んだあいまいな表現に描き変えたとのことだが、「実際の内容は…エグいです」と語る。漫画を読んだ読者からは「お母さんのSNSが子どもたちのネタになってることにゾッとした」「めっちゃ考えさせられる話だった」「心の準備をさせてもらえた」という感想がズラリ!そのほか、「終わり方がーっっ!怖いっ」「ラストにゾッとした…」「終わり方がなんともリアル…!!」というコメントも。同年代のお子さんを持つ人だけでなく、すべての人に読んでもらいたい漫画だ。目を背けたくなるような少し怖い内容だが、今の現実として知っておくに越したことはないだろう。

取材協力:ヨカ(@yoka9003)