栗原勇蔵氏が町田×筑波大の一戦について言及【写真:(C) FCMZ】

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栗原氏は高校サッカーで長年指導してきた黒田監督の考えも理解

 FC町田ゼルビアは、6月12日に行われた天皇杯2回戦筑波大戦に延長戦、PK戦にもつれた末に敗れ、ジャイアントキリングを達成されてしまった。

 ただ、その波乱の結果はもちろん、黒田剛監督が筑波大の激しいプレーや口の利き方に対して言及したことは大きく取り上げてられている。元日本代表DF栗原勇蔵氏は「負けたあとに言ったことで、負け惜しみに捉えられてしまう」と率直な感想を語っている。

 町田は前半22分に先制するも、後半アディショナルタイムにU-23日本代表のFW内野航太郎に劇的な同点弾を食らって試合は延長戦へ。延長30分間でも決着がつかず、PKスコア2-4で無念の2回戦敗退となった。

 町田は前半8分に負傷退場したDFチャン・ミンギュが左鎖骨骨折、先制点を奪ったMF安井拓也は右脛骨骨幹部骨折の重症。さらに後半25分に途中出場するも負傷交代したFWナ・サンホが左足関節靭帯損傷、前距腓靭帯損傷、三角靭帯損傷、交代選手枠がなくなって動けなくなりながら延長戦までプレーしたFWミッチェル・デュークは左大腿二頭筋肉離れとなり、計4人もの長期離脱者が出た。

 町田の黒田監督が試合後の会見で「反感とか批判とかあることは承知」と前置きしつつ、「言葉1つ1つがタメ口であったり、乱暴な言葉であったり、大人に向かってもやはり配慮が欠けるような言葉もあった」と怒り交じりに指摘したこともあって、波紋を呼んだ。

 町田の原靖フットボールダイレクターによれば、試合後にはマッチコミッショナーを含めたミーティングで、序盤の町田MF郄橋大悟の厳しいチャージに対してレフェリーがイエローカードを出さなかったことが、その後の判定に影響したのではないかという見解も示されたというが、黒田監督の発言に対する厳しい声もSNS上では数多く見受けられる。

 元日本代表DF栗原氏は、「(タメ口と言われる)筑波大側の言葉がどの程度か分からないので、なんとも言えない部分はあります」と断ったうえで、「高校サッカーでの指導が長かった黒田監督なりの考えがあるのかもしれない」と見解を述べた。

「年齢が上だから、下だからとかは関係なく、ピッチ内で何を言っていいわけではないし、対戦相手と言えど、リスペクトは当然必要です。ただ、黒田監督が言ってることはもっともな部分はあっても、損をしているというか、何事もタイミングは大事で、負けたあとに言ったことが負け惜しみに捉えられてしまうのも仕方がない気がします」

 2002〜19年に横浜F・マリノス一筋でプレーし、04年に天皇杯5回戦で当時JFLだったザスパ草津(現ザスパ群馬)にジャイアントキリングを食らった経験を持つ栗原氏は、町田の面々の胸中をおもんぱかりつつ、これ以上騒動が大きくならないことを願っていた。(FOOTBALL ZONE編集部)