デビュー当時には論争にまでなった、マドンナのシンボルともいえるボンデージスーツの衣装(本人インスタグラムより)

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《公演内容が性的すぎる。観客はステージ上でトップレスの女性が、性行為を模倣するのを見るように強要された》

【写真】過激なのはライブパフォーマンスだけじゃない、マドンナのSNS

 こう訴えられたのは、歌手のマドンナ(65)。北米やヨーロッパなど14か国を回る、全78公演の『セレブレーション・ワールドツアー』のことだった。最終日の5月4日には、ブラジル・リオデジャネイロで無料公演を開催し、160万人以上を動員。彼女のキャリアで、最大規模の公演になったという。

デーブ氏は「笑っちゃう」

 盛況のうちにツアーの幕が下りたように思われたのだが、3月にカリフォルニアで公演を見た男性が、冒頭の理由で提訴したのだ。

 マドンナといえば、デビュー当時から過激なパフォーマンスや、ファッションで世間を騒がせてきた。今さら「性的すぎる」と騒ぐのもどうかと思うのだが─。

「笑っちゃうよね。この男性の予備知識が足りなすぎますよ。松平健のコンサートに行って“どうしてサンバを踊るのか”と言ってるようなものですよ(笑)」

 こう笑い飛ばすのは、テレビプロデューサーでありタレントのデーブ・スペクター氏。

「記事で読みましたが、500ドルのチケットを4枚買って見に行ってるんですよ。日本円で30万円以上ですよ。そんな人が、マドンナのコンサートがどんなものかを知らないなんてあり得ないでしょう」(デーブ氏、以下同)

マドンナは「ちょっと危ない人」

 実はこの前にも、1月にツアーの開始時刻が彼女の遅刻で2時間以上遅れ、終演が午前1時になったことで、ファンから訴えられている。

「この訴訟を見てダメ元で訴えたのでは。万が一、訴訟に勝てば大金が転がり込み、弁護士も何パーセントかの報酬を得られますから。ギャンブルみたいなものですよ」

 マドンナのようなスターは、訴訟のターゲットとして狙われやすいという。

「もともとはダンサーで、性の解放主義者。もっとみんな自由になろうよと、カソリックでありながらローマ法王をけなしたり(笑)。要は、エッジが利いていて、ちょっと危ない人なんです。

 ただ、女性としてダンスをしながら歌い、エロさやカッコよさ、すべてをパッケージにしたコンサートという大きなビジネスをつくったのは、間違いなくマドンナです」

 これまでもマドンナ自身が十字架に磔になるステージングや、過激な表現で自身のミュージックビデオが放送禁止になるなど、奇行や騒動を繰り返してきたマドンナ。

「65歳になった今も、若いイケメンを連れて歩いたりもしているじゃないですか。“トイ・ボーイ”といっておもちゃになる男という意味なんですけど、それも“マドンナというキャラクター”をつくり上げるためのこと。彼女の中ではすべてが計算されている。

 ステージングにしても音響や照明、バックダンサーなどすべてにおいて完璧主義者。マドンナというイメージを壊さないため、全力を注いでいます。すごい人ですよ」

 音楽はもちろんのこと、“お騒がせ”で取り上げられることが多いマドンナ。それもスターゆえに背負った“十字架”なのかもしれない。